扶養控除等申告書の書き方
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、給与から源泉徴収される所得税の計算で扶養控除などの諸控除を受けるために、給与の支払者(勤務先)へ提出する書類です。提出している人に支払う給与は税額表の甲欄、その他の人に支払う給与は乙欄で税額を求めます。この申告をしないと、月々の源泉徴収で諸控除が受けられず、年末調整も行われません。住民税の「給与所得者の扶養親族申告書」と1枚にまとめた様式になっています。
扶養控除等申告書の書き方 5ステップ
- 「申告者」の欄に、本人の氏名・住所・勤務先を書く
- 源泉控除対象配偶者がいれば、配偶者の氏名と、その年の所得の見積額を書く
- 扶養親族の氏名・続柄・生年月日を、1人ずつ書く
- 個人番号、障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生の該当、16歳未満の扶養親族(住民税に関する事項)は、このテンプレートに欄がないため、国税庁の様式で記入する
- その年最初の給与の支払を受ける日の前日までに、勤務先へ提出する
記入項目の書き方
- 源泉控除対象配偶者:本人の合計所得金額が900万円以下で、生計を一にする配偶者の合計所得金額が95万円以下の場合に該当します。配偶者の所得が給与だけなら、給与収入169万円以下です(令和8年12月1日施行・令和8年分から適用の金額)。
- 控除対象扶養親族:扶養親族のうち、その年12月31日現在で16歳以上の人です。扶養親族の所得の要件は、合計所得金額62万円以下(給与だけなら給与収入136万円以下)です(令和8年12月1日施行・令和8年分から適用。令和7年分は58万円以下)。
- 特定扶養親族:控除対象扶養親族のうち19歳以上23歳未満の人です。扶養控除額は63万円です(一般の控除対象扶養親族は38万円)。
- 老人扶養親族:控除対象扶養親族のうち70歳以上の人で、扶養控除額は48万円です。本人や配偶者の直系尊属で、同居を常としている人(同居老親等)は58万円です。老人ホームなどに入所している場合は、同居を常としているとはいえません。
- 16歳未満の扶養親族:所得税の扶養控除の対象ではありません。この申告書は住民税の扶養親族申告書を兼ねているため、「住民税に関する事項」欄に記載し、個人番号も書きます。
- 障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生:国税庁の様式に該当を書く欄があります。勤労学生に該当する旨を書いた場合は、そのことを証する書類を添付します。
書き方の注意点
- 提出期限:その年の最初に給与の支払を受ける日の前日までです。年の途中で就職した場合は、就職後最初に給与の支払を受ける日の前日までです。
- 甲欄と乙欄:提出している人に支払う給与は甲欄、その他の人に支払う給与は乙欄で税額を求めます。2か所以上から給与を受ける場合、提出できるのはそのうち1か所だけです。
- 「異動」の意味:提出した申告書の記載内容に異動があったとき(結婚・出産などで配偶者や扶養親族が変わったときなど)は、異動の日後、最初に給与の支払を受ける日の前日までに、異動の内容を書いた申告書を提出します。
- 扶養の判定は12月31日の現況:扶養親族に当たるかどうかは、その年12月31日の現況で判定します。
- 保管は勤務先:申告書は勤務先が保管し、税務署長などから特に求められた場合以外は提出しません。保存期限は、申告書の提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年を経過する日までです。
よくある質問
Q. アルバイトの掛け持ちでは両方に出せますか?
A. 出せません。2か所以上から給与を受ける場合、提出できるのはそのうち1か所の給与の支払者だけです。提出していない勤務先の給与は、税額表の乙欄で税額を求めます。
Q. 扶養親族がいなくても提出が必要ですか?
A. 必要です。国税庁は、源泉控除対象配偶者や扶養親族の有無にかかわらず、原則としてこの申告を行わなければならないと案内しています。申告しないと、月々の源泉徴収で諸控除が受けられず、年末調整も行われません。
Q. 16歳未満の子は書かなくてよいですか?
A. 書きます。16歳未満は所得税の扶養控除の対象ではありませんが、この申告書は住民税の扶養親族申告書を兼ねているため、「住民税に関する事項」欄に記載します(個人番号の記載も必要です)。
参考(2026年10月時点):国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」/国税庁 No.2511 税額表の種類と使い方/国税庁 No.1180 扶養控除/国税庁 タックスアンサー 専門用語集/国税庁 源泉所得税関係に関するFAQ(マイナンバー)/総務省 個人住民税の「給与所得者の扶養親族申告書」等について