作業員名簿の書き方
作業員名簿は、建設現場に入る作業員の情報を会社ごとにまとめた書類です。施工体制台帳には、工事に従事する者の氏名・生年月日・年齢・職種・社会保険の加入状況・資格などを書く決まりがあり(建設業法施行規則14条の2)、作業員名簿はその情報をまとめる書類として使われます。誰が現場にいるか、資格があるか、緊急の時に誰に連絡するかを確かめるためにも使います。事故が起きたときに真っ先に参照される書類でもあり、情報が古いと役に立ちません。
作業員名簿の書き方 5ステップ
- 工事名と施工業者名を書く
- 作業員ごとに氏名・生年月日・職種を書く
- 資格(免許・技能講習・特別教育)を書く
- 血液型と緊急連絡先を書く
- 備考と発行者情報を書いて、現場へ出す(社会保険の加入状況などは、元請の求めに合わせて別に添える)
記入項目の書き方
- 氏名・生年月日:年齢が分かることで、18歳未満の就業の制限や、高齢の方への配慮の判断ができます。
- 職種:例の「鳶工」のように、とび・型枠・鉄筋・電工など。作業の内容と資格が合っているかを確かめます。
- 資格:例の「玉掛け」のように、移動式クレーン・玉掛け・高所作業車・フルハーネス型の特別教育など。資格の無い作業を防ぐための欄です。
- 血液型・緊急連絡先:救急の時の参考にします。緊急連絡先は、本人と連絡が取れない時の相手と続柄も分かるようにします。
- 書く欄が無いもの:社会保険(健康保険・年金・雇用保険)の加入状況、建設業退職金共済の被共済者かどうか、安全衛生教育の内容、雇入れの年月日は、この書式に欄がありません。施工体制台帳に書く事項なので(施行規則14条の2)、元請の様式に合わせて別に添えます。
書き方の注意点
- 新しい人が入るたびに直す:施工体制台帳や再下請負通知書とあわせて管理し、作業員が入れ替わるたびに直します。
- 社会保険の未加入:国土交通省は、元請に対し、適切な保険に加入していると確かめられない作業員は、特段の理由がない限り現場への入場を認めない扱いを求めています(社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン)。
- 18歳未満の制限:18歳未満の人は、クレーン・デリック・揚貨装置の運転、高さ5m以上で墜落のおそれのある場所での業務、足場の組立・解体・変更(地上などの補助作業を除く)などの危険な業務に就かせられません(労働基準法62条・年少者労働基準規則8条)。年齢を確かめます。
- 保存期間:施工体制台帳の一部などを添えた帳簿は、目的物の引渡しから5年(発注者と結んだ住宅の新築工事は10年)保存します(建設業法施行規則28条)。
- 個人情報の管理:生年月日・緊急連絡先・血液型が含まれます。現場事務所での保管の方法と、見られる人の範囲を決めておきます。
よくある質問
Q. 一人親方も作業員名簿に記載しますか?
A. 記載します。労災保険の特別加入の状況などは、元請の様式に合わせて添えます。
Q. 作業員が交代したらどうしますか?
A. その都度更新します。名簿にない人が現場にいる状態は、安全管理上も体制上も問題になります。
Q. 様式は決まっていますか?
A. 法令で決まった様式はありません。元請が様式を指定することが多いので確かめます。
参考(2026年11月時点):建設業法施行規則(e-Gov法令検索)・社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン(国土交通省)・労働基準法(e-Gov法令検索)・年少者労働基準規則(e-Gov法令検索)