旅費精算書の書き方
旅費精算書は、出張でかかった交通費・宿泊費・日当などを集計して精算する書類です。給与所得者が職務のために旅行をした場合に支給される旅費のうち、その旅行について通常必要であると認められるものは所得税が非課税です(所得税法9条1項4号)。通常必要な範囲を超えて支給した部分は、給与として課税されます。
旅費精算書の書き方 5ステップ
- 申請日・精算番号と、部署・氏名を書く
- 出張先と出張期間を書く
- 明細に、日付・科目(交通費・宿泊費・日当・飲食費・その他)・内容・金額を1件ずつ書く
- 領収書の「あり・なし」を選び、ない場合は内容欄に区間や支払先を具体的に書く
- 合計を確かめ、仮払金や出張の目的などは備考に書いて提出する
記入項目の書き方
- 出張期間:出発日と帰着日を書きます。日当や宿泊費の日数を確かめる根拠になります。
- 交通費:内容欄に「東京→大阪 新幹線」のように区間と手段を書きます。経路が分かると、重複や誤りに気づけます。
- 宿泊費:実費で精算するか定額で支給するかは、社内の旅費規程で決めておきます。
- 日当:出張中の食事代などに充てる定額の支給です。額は旅費規程で定めておき、その基準で計算します。
- 領収書:電車やバスなど領収書がないものは「なし」を選び、内容欄に区間と金額の根拠を書きます。交通系ICカードの利用履歴などがあれば添えます。
- 備考:このテンプレートには仮払金や振込先の欄がないため、仮払を受けている場合はその額と差額の扱いを備考に書きます。
書き方の注意点
- 「通常必要」の判定:非課税になるかどうかは、支給額が役員・使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準で計算されているか、同業種・同規模の他の使用者が一般的に支給している金額に照らして相当か、などを勘案して判定します(所得税基本通達9-3)。旅費規程で役職ごとの日当額や宿泊費の上限を定めておくと、この基準を示せます。
- 仕入税額控除の特例:従業員等に支給する出張旅費・宿泊費・日当等のうち、その旅行に通常必要であると認められる部分は、適格請求書がなくても帳簿のみの保存で仕入税額控除ができます(出張旅費等特例)。社内規程の有無や、概算払いか実費精算かは問いません。通常必要な部分を超える額は給与になり、特例の対象外です。
- 提出期限:社内の規程で決めた期限までに提出します。月をまたぐと、経費をどの月に計上するかの確認が増えます。
- 出張報告書と分けるか:経費の精算と業務の報告は目的が違います。分けるなら、同じ精算番号や日付で紐づけておきます。
よくある質問
Q. 日当に領収書は必要ですか?
A. 日当は実費の精算ではなく定額で支給するものなので、領収書を求めるかどうかは社内の旅費規程で決めます。消費税では、通常必要と認められる範囲の日当は、帳簿のみの保存で仕入税額控除ができる出張旅費等特例の対象です。
Q. 出張旅費は従業員の給与として課税されますか?
A. その旅行について通常必要であると認められる範囲なら非課税です(所得税法9条1項4号)。その範囲を超えて支給した部分は、給与所得として課税されます(所得税基本通達9-4)。
Q. マイカー出張のガソリン代はどう精算しますか?
A. 精算の方法(走行距離に1kmあたりの単価を掛けるなど)を旅費規程で決めておき、その方法で計算します。内容欄に走行距離と経路を書いておくと確かめやすくなります。
参考(2026年10月時点):e-Gov法令検索 所得税法(第9条)/国税庁 所得税基本通達 第9条関係(9-3・9-4)/国税庁 インボイス制度における特例(出張旅費等特例)