新規入場者教育記録の書き方
新規入場者教育記録は、建設現場に初めて入る作業員へ現場のルールを教育し、その実施を記録する書類です。現場ごとに危険箇所も避難経路も違うため、他の現場で教育を受けていても改めて必要になります。事故が起きた際、教育を実施していたかどうかが元請・下請双方の責任判断に直結する記録でもあります。
新規入場者教育記録の書き方 5ステップ
- 実施日・工事名・教育実施者を書く
- 教育項目(現場のルール・安全通路・避難経路・危険箇所など)を書く
- 教育時間を書く
- 受講者名と所属を書く
- 受講者に署名をもらって、記録として保管する
記入項目の書き方
- 教育実施者:例の「鈴木 一郎(現場所長)」のように、役職も添えます。
- 教育項目:開口部・高所・重機の通り道・埋設物などの危険箇所、立入禁止の場所、合図の方法、火気と喫煙場所、保護具、119番通報の手順・避難経路・集合場所・救急用具の場所など。図面や写真を使うと伝わります。
- 教育時間:実際にかけた時間を書きます。
- 受講者名(所属):例の「田中太郎(テスト工業)」のように書きます。経験年数・年齢・当日の体調などを書く欄は無いので、要るなら別に聞き取ります。
書き方の注意点
- 法的な位置づけ:事業者は、労働者を雇い入れた時と作業の内容を変えた時に安全衛生教育を行う義務があります(労働安全衛生法59条1項・2項)。新規入場者教育は、これを現場ごとに行うものです。
- 現場ごとに行う:危険箇所・動線・緊急連絡先は現場ごとに違います。「ほかの現場で受けたから不要」とはなりません。
- フルハーネス型が原則:墜落制止用器具はフルハーネス型が原則で、墜落した時に地面に届くおそれがある高さ6.75m以下では、胴ベルト型(一本つり)も使えます(厚生労働省)。高さ2m以上で作業床を設けにくい所でフルハーネス型を使う作業には、特別教育が要ります(労働安全衛生規則36条41号)。
- 記録の保存:雇入れ時の教育の記録には、法令で決まった保存期間はありません。特別教育は、受講者・科目などの記録を3年保存します(労働安全衛生規則38条)。
- 外国人労働者への配慮:言葉が通じないまま署名だけもらっても、教育になりません。母国語の資料や通訳、図解を用意します。
よくある質問
Q. 新規入場者教育は誰が実施しますか?
A. 現場を統括する元請の職員が実施するのが一般的です。所属会社の職長が補足することもあります。
Q. どのくらいの時間をかけますか?
A. 決まった長さはありません。現場の危険の多さに合わせて決め、実際にかけた時間を記録します。
Q. 一度受けた人が再入場する場合も必要ですか?
A. 長期間空いた場合や、工程が進んで現場の状況が変わった場合は再度実施します。運用基準を決めておきます。
参考(2026年11月時点):労働安全衛生法(e-Gov法令検索)・労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)・安全帯が「墜落制止用器具」に変わります(厚生労働省のリーフレット)