売上伝票の書き方
売上伝票は、売上が発生したことを記録して会計処理につなげる書類です。仕訳帳に直接書く代わりに伝票を起こす方式を伝票会計と呼び、入金・出金・振替の3伝票制に、売上・仕入を加えた5伝票制があります。売上伝票は5伝票制で使われるもので、現金売上も含めて、いったん掛売上として起票するのが特徴です。
売上伝票の書き方 5ステップ
- 売上日と伝票番号を記入する
- 得意先名を記入する
- 商品名・サービス名、数量、単価、金額を記入する
- 摘要に、取引の内容や税込・税抜の別を書く
- 起票者・承認者を記入し、証憑(納品書控・請求書控)と紐づけて承認を受ける
記入項目の書き方
- 売上日:売上を計上する日です。入金日ではなく、商品を引き渡した日やサービスを提供した日にします。
- 伝票番号:通し番号にします。欠番があると、記入漏れか破棄かを説明しにくくなります。
- 得意先:取引先の名称を書きます。同じ名前の取引先がある場合は、所在地や取引先コードで区別します。
- 商品名・数量・単価・金額:納品書と一致させます。値引きがあれば別の行に書きます。
- 摘要:「3月分制作代金」のように内容を書きます。このテンプレートには消費税の欄がないため、金額が税込か税抜か、税率が違う品目があるかも摘要に書いておきます。
- 起票者・承認者:誰が起こし誰が承認したかを書きます。別の人にすると、誤りや不正を防ぎやすくなります。
書き方の注意点
- 3伝票制と5伝票制:3伝票制=入金伝票・出金伝票・振替伝票/5伝票制=これに売上伝票・仕入伝票を加えたもの。5伝票制では、現金売上でもいったん全額を掛売上として売上伝票に起票し、同時に入金伝票で回収を記録します。
- 計上のタイミング:売上は、商品の引渡しや役務の提供があった時点で計上します。法人税法でも、資産の販売や役務の提供による収益は、原則として目的物の引渡しまたは役務の提供の日の属する事業年度の益金とされています(法人税法22条の2)。
- 証憑と対応させる:伝票だけでは取引の内容を確かめにくいため、納品書控や検収書と紐づけて保管します。
- 訂正の方法:訂正液は使いません。赤伝(逆仕訳)を起こして取り消し、正しい伝票を起こし直すと、訂正の経緯が残ります。
- 保存期間:帳簿書類として、法人は原則7年(欠損金額が生じた事業年度などは10年)、個人事業主は帳簿・書類の種類に応じて5年または7年の保存が必要です。
- 会計ソフトとの二重管理に注意:会計ソフトに直接仕訳を入力している場合は、伝票と二重に管理していないかを確認してください。
よくある質問
Q. 売上伝票と請求書はどう違いますか?
A. 売上伝票は社内の会計処理用、請求書は取引先へ代金を請求するための書類です。金額は連動しますが、宛先も目的も違います。
Q. 現金売上でも売上伝票を起こしますか?
A. 5伝票制ではいったん掛売上として起票し、入金伝票で回収を記録します。3伝票制なら入金伝票だけで処理します。
Q. 伝票番号が飛んだ場合はどうしますか?
A. 欠番の理由を記録に残します。破棄した伝票も「破棄」と記録して番号を残しておくと、後から説明できます。
参考(2026年10月時点):e-Gov法令検索 法人税法(第22条の2)/国税庁 No.5930 帳簿書類等の保存期間/国税庁 No.2070 青色申告制度/国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」