見積依頼書の書き方
見積依頼書は、商品やサービスの価格を複数社に照会するための書面です。金額を比べるのが目的ですが、条件がそろっていない見積は比較できません。安く見えた見積が、必要な費用を含んでいないだけということもあります。依頼側の仕事は値切ることではなく、同じ条件で比べられるようにすることです。
見積依頼書の書き方 5ステップ
- 依頼日・依頼番号と、回答期限を書く
- 依頼先(会社名・氏名、担当者名)と、発行者情報(自社の名称・住所・連絡先)を書く
- 明細に品目・サービス名、数量、単位を書く(単価・金額は相手に見積もってもらう欄として空けておけます)
- 条件・仕様等に、仕様・希望納期・見積に含めてほしい費用・提出方法を書く
- 同じ内容を複数社へ同時に送り、受けた質問への回答は全社に共有する
記入項目の書き方
- 品目・サービス名:型番、規格、材質、サイズまで書きます。「同等品可」とするかどうかも明記します。
- 数量・単位:初回の数量を書きます。継続的な見込み数量があれば、条件・仕様等に分けて示します。
- 回答期限:相手が積算する時間を見込んで決めます。急ぐ場合は理由を添えます。
- 条件・仕様等:希望納期と遅れが許容できるか、見積に含めてほしい費用(送料、設置費、保守、初期設定など)を書きます。ここを書かないと、各社の見積の範囲がばらばらになります。
- 比較の観点:価格だけでなく、納期・保守・実績も見ることを伝えると、比べやすい提案が集まります。
書き方の注意点
- 条件をそろえる:仕様書を添付し、全社に同じ内容を送ります。口頭で追加した条件が1社にしか伝わっていないと、比較ができなくなります。
- 質問と回答は全社に共有する:1社からの質問への回答が他社に伝わっていないと、前提が食い違います。まとめて共有するのが公平です。
- 相見積であることを伝える:伝えておくと、相手も前提を理解して見積を出せます。ただし他社の金額を伝えて値下げを迫ると、信頼を損ないます。
- 依頼社数を絞る:積算には手間がかかります。比較に必要な社数に絞って依頼します。
- 結果を連絡する:選ばなかった会社にも結果を伝えておくと、次に依頼するときにやり取りしやすくなります。
- 取適法に注意:取適法(2026年1月1日に下請法から改正・改称)の対象取引で自社が委託事業者にあたる場合、通常支払われる対価に比べて著しく低い代金の額を不当に定めること(買いたたき)、中小受託事業者の責めに帰すべき理由がないのに代金の額を減ずること、中小受託事業者が求めた協議に応じず一方的に代金の額を決定することなどが禁止されています(取適法5条)。
よくある質問
Q. 見積依頼書は必ず書面で出す必要がありますか?
A. メールでも構いません。大切なのは形式ではなく、全社に同じ条件が伝わっていることです。
Q. 予算を伝えるべきですか?
A. 伝えると、その範囲での提案が出てきやすくなります。伝えないと、予算に合わない提案のやり取りに時間がかかることがあります。
Q. 一番安い見積を選べばよいですか?
A. 含まれる範囲をそろえてから比べてください。安い見積は、後から追加費用が発生する条件になっていることがあります。
参考(2026年10月時点):e-Gov法令検索 取適法(第5条)/公正取引委員会 取適法リーフレット