管理委託契約書の書き方
管理委託契約書は、賃貸住宅のオーナーが管理業務を管理会社に委託する契約書です。賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(令和2年法律第60号)により、管理する賃貸住宅が200戸以上の事業者は国土交通大臣の登録を受けます(3条・施行規則3条)。登録を受けた管理業者には、契約の前に書面を交付して説明すること(13条)と、契約した時に決まった事項を書いた書面を交付すること(14条)が義務づけられています。
管理委託契約書の書き方 5ステップ
- 委託者(物件オーナー)と受託者(管理会社)を書く
- 物件名と所在地を書く
- 管理委託料と管理業務の範囲を書く
- 契約開始日と契約期間(自動更新の有無)を書く
- 家賃の送金・修繕の権限・定期報告・解除の取り決めを別に定め、契約の前に書面で説明を受けてから署名押印する
記入項目の書き方
- 管理業務の範囲:例の「入居者募集、賃料集金、修繕手配、クレーム対応」のように、点検・清掃・修繕などの維持保全と、家賃の受け取り・送金などの金銭の管理を分けて並べます。「管理一切」では責任の範囲が決まりません。
- 管理委託料:例の「賃料の5%」のように、家賃に対する率か定額かを書きます。原状回復や更新の事務の費用を別に取るかも書いておきます。
- 物件名・所在地:例の「サンプルマンション(全20室)」のように、戸数も分かるように書きます。
- 契約開始日・契約期間:例の「1年(自動更新)」のように書きます。解除の予告の期間は、別に定めます。
- 書く欄が無いもの:毎月何日にオーナーへ家賃を送るか、滞納の時の扱い、いくらまでなら管理会社の判断で修繕を頼めるか、定期報告の時期と中身は、この書式に欄が無いので別に定めます。
書き方の注意点
- 登録:管理する賃貸住宅が200戸以上なら、国土交通大臣の登録が要ります(3条1項・施行規則3条)。登録は5年ごとに更新します(3条2項)。
- 業務管理者:登録を受けた管理業者は、営業所や事務所ごとに1人以上の業務管理者を置きます(12条)。業務管理者は、管理業務の2年以上の実務の経験などの要件を満たす人です(施行規則14条)。
- 契約前の書面での説明:管理受託契約を結ぶまでに、書面を交付して説明します(13条)。契約した時は、対象の住宅・実施の方法・契約期間・報酬・更新や解除の定めなどを書いた書面を交付します(14条)。
- 預かり金の分別管理:オーナーから預かる家賃・敷金・共益費などは、自分の財産と分けて管理します(16条)。口座を自分の財産の口座とはっきり分け、どの契約の金銭かを帳簿ですぐ分かるようにします(施行規則36条)。
- 定期報告:管理業者は、契約を結んだ日から1年を超えない期間ごとと、契約期間が終わった後遅滞なく、管理業務の状況を委託者に報告します(20条・施行規則40条)。
- サブリースは別の規制:借り上げて転貸する特定転貸事業者(サブリース業者)には、誇大広告の禁止(28条)・不当な勧誘の禁止(29条)・契約前の書面での説明(30条)などの別の規制があります。
よくある質問
Q. 管理委託とサブリースはどう違いますか?
A. 管理委託はオーナーが貸主のまま管理だけを任せる形、サブリースは管理会社が借り上げて転貸する形です。家賃保証の有無と、法規制の内容が異なります。
Q. 200戸未満なら規制を受けませんか?
A. 200戸未満なら登録は義務ではありません。登録を受けた管理業者は、戸数にかかわらず法律の義務を守ります。サブリース(特定賃貸借)の規制は、特定転貸事業者に当てはまるもので、登録とは別です(28条〜30条)。
Q. 報告はどのくらいの頻度が必要ですか?
A. 登録を受けた管理業者は、契約を結んだ日から1年を超えない期間ごとと、契約期間が終わった後遅滞なく報告します(施行規則40条)。それより多くするなら、契約で頻度を決めます。
参考(2026年11月時点):賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(e-Gov法令検索)・賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)