工事履行報告書の書き方
工事履行報告書は、工事の進捗状況を発注者へ定期的に報告する書類です。公共工事標準請負契約約款では、受注者は、設計図書に定めるところにより、契約の履行について発注者に報告すると定められています(第11条)。いつ出すかは、設計図書や発注者の指示によります。中心となるのは出来高(予定に対してどこまで進んだか)で、遅れが出ている場合は回復の見通しまで書くのが実務です。
工事履行報告書の書き方 5ステップ
- 報告日・工事名称・報告対象期間を書く
- 全体進捗率を書く
- 完了工程と進行中工程(進捗の割合も)を書く
- 課題・遅延事項に、遅れの理由と回復の見通しを書く
- 工程表と数字を合わせて確かめ、提出する
記入項目の書き方
- 報告対象期間:例の「2026年3月1日〜3月31日」のように。締め日は発注者とそろえます。
- 全体進捗率:例の「45%」のように書きます。何で測った割合か(金額か、数量か)を発注者とそろえておきます。
- 完了工程・進行中工程:例の「2F躯体工事(進捗70%)」のように、進行中の工程は割合も添えます。
- 課題・遅延事項:天候、資材の調達、設計の変更、近隣との調整など、遅れの理由と、人員の追加や工程の組み替えなどの回復の策を書きます。受注者の責めでない理由で工期内に終えられない時は、理由を明示した書面で工期の延長を求められます(約款第22条)。
書き方の注意点
- 遅れの理由を記録する:発注者側の事情(設計の変更、用地の引渡しの遅れ、近隣との調整)による遅れは、工期の延長の話し合いの材料になります(約款第22条)。その都度、書面に残します。
- 工程表と連動させる:履行報告書の数字は工程表から出します。別々に管理すると、数字が食い違います。
- 部分払いとの関係:出来形に応じて部分払いを受けるなら、確認を求める出来形の数字と、報告書の数字をそろえておきます。
- ためずに出す:後からまとめて作ると実態と合わなくなり、遅れの原因も特定できなくなります。
よくある質問
Q. 民間工事でも履行報告書は必要ですか?
A. 契約で決めていれば必要です。民間の工事でも、契約で報告を求められることがあります。
Q. 出来高率はどう計算しますか?
A. 工種ごとの契約金額×進捗率を足し、請負代金の総額で割る方法があります。どの方法で出すかを、発注者とそろえておきます。
Q. 遅れている場合、正直に書くべきですか?
A. 書くべきです。隠して後から発覚すると、工期延長の協議も不利になります。理由と回復策をセットで示してください。
参考(2026年11月時点):公共工事標準請負契約約款(中央建設業審議会・国土交通省)