個人情報取扱同意書の書き方
個人情報取扱同意書は、取得する個人情報の使い道を本人に示し、同意を得るための書面です。個人情報保護法では、利用目的を「できる限り特定」し(17条)、取得した時は、前に公表している場合を除いて、利用目的を本人に通知するか公表することが求められます(21条)。同意が必須なのは限られた場面(第三者提供、要配慮個人情報の取得など)ですが、書面で残しておくと後の争いを防げます。
個人情報取扱同意書の書き方 5ステップ
- 事業者名・個人情報管理責任者・問い合わせ先を書く
- 取得する個人情報の項目を並べる
- 利用目的を具体的に書く(「事業活動のため」では足りない)
- 第三者に提供するかどうかと、保管期間を書く
- 同意日と氏名を本人に書いてもらう(開示などの請求の方法を書く欄は無いので、問い合わせ先と一緒に示す)
記入項目の書き方
- 取得する個人情報:氏名・住所・連絡先・生年月日など、実際に取る項目だけを書きます。
- 利用目的:例の「サービスの提供、お問い合わせへの対応」のように、本人が使い道を予測できる細かさで書きます。
- 第三者提供の有無:提供するなら、原則として本人の同意が要ります(27条1項)。業務の委託先に渡すのは「委託」で第三者への提供に当たりませんが(27条5項1号)、委託先を監督する義務があります(25条)。
- 保管期間:例の「取引終了後5年間」のように書きます。使う必要がなくなった個人データは、遅滞なく消すよう努めます(22条)。法律で保存の期間が決まっているものは、その期間を書きます。
- 個人情報管理責任者・問い合わせ先:開示などの請求を受ける部署と連絡先をはっきりさせます。
書き方の注意点
- 利用目的は「できる限り特定」:個人情報保護委員会のガイドラインでは、「事業活動に用いるため」「マーケティング活動に用いるため」は、具体的に特定していない例として挙げられています(17条)。
- 同意が要る主な場面:①要配慮個人情報(人種・信条・病歴・犯罪の経歴など)を取る時(20条2項) ②第三者に提供する時(27条1項) ③利用目的の範囲を超えて使う時(18条1項) ④外国にある第三者に提供する時(28条)。どれも法令に基づく場合などの例外があります。
- 未成年者の同意:同意の結果を判断できる能力が無い場合は、親権者や法定代理人などから同意を得ます(ガイドライン)。一般には12歳から15歳までの年齢以下の子どもについて、法定代理人などから同意を得る必要があると考えられています(個人情報保護委員会 Q&A 1-62)。2026年の改正法では、本人が16歳未満なら同意の取得や通知を法定代理人に対して行う決まりが入り、政令・規則の準備が進んでいます(同委員会 令和8年9月16日の資料)。
- 本人の請求:本人は、開示(33条)、訂正・追加・削除(34条)を求められます。利用停止・消去や第三者への提供の停止は、違法な取扱いや、使う必要がなくなった時などに求められます(35条)。請求への対応の手順を決めておきます。
- 漏えい等の報告:個人の権利利益を害するおそれが大きい漏えい等が起きた時は、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務です(26条)。手順を前もって決めておきます。
よくある質問
Q. 同意書は必ず取らないといけませんか?
A. すべての場面で必要なわけではありません。利用目的の通知・公表で足りる場合も多く、同意が必須なのは第三者提供や要配慮個人情報の取得などです。
Q. 同意はメールやウェブの画面でも有効ですか?
A. 有効です。個人情報保護委員会のガイドラインは、同意する旨のメールの受信、確認欄へのチェック、ホームページ上のボタンのクリックなどを、本人の同意を得ている例に挙げています。同意した事実と内容を後から示せるよう、記録を残します。
Q. 一度得た同意はいつまで有効ですか?
A. 利用目的が変わらない限り、その範囲で使えます。ただし本人は、違法な取扱いや、使う必要がなくなった時などに、利用停止や消去を求められるので(35条)、窓口を用意しておきます。
参考(2026年11月時点):個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索)・個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)(個人情報保護委員会)・Q&A 1-62 子どもの同意(個人情報保護委員会)・改正法の政令・規則の整備に向けた基本的な考え方(個人情報保護委員会 令和8年9月16日)