督促状の書き方
督促状は、支払期日を過ぎた代金の支払いを促す書面です。実務では段階を踏むのが基本で、①支払いのお願い(行き違いの可能性に配慮)②督促状(期限を切って請求)③催告書(法的手段を示唆)と強めていきます。最初から強い文面を送ると、単なる入金忘れだった場合に取引関係を壊します。
督促状の書き方 5ステップ
- 発行日と宛先(会社名・担当者名)を書く(「様」は自動で付く)
- 請求書番号と未払金額を書く
- 当初のお支払期限を書く
- 新しいお支払期限を、具体的な日付で書く
- 会社名・部署・担当者(電話番号も)を書いて送る
記入項目の書き方
- 請求書番号:「INV-2026-0312」のように、どの請求か特定できる番号。複数あるなら全部書きます。
- 未払金額:「550,000円(税込)」のように。一部入金があれば、残りの額を書き、入金済みの額も添えます。
- 当初お支払期限:請求書に書いた期日です。
- お支払期限(再設定):「◯月◯日」と具体的な日付で。「至急」だけでは動いてもらえません。
- 行き違いへの配慮:「本状と行き違いにてお支払い済みの場合は、何卒ご容赦ください」の一文は自動で入ります。
- 欄が無いもの:振込先を書く欄はありません。振込先が分からないことが理由の場合もあるので、担当者の欄の後ろや別の紙で添えます。
- 担当者:電話番号も書きます。支払えない事情がある時に相談できる先を示すと、連絡が来やすくなります。
書き方の注意点
- 督促と催告:法律上の呼び名の区別はありませんが、実務では、督促状=支払いのお願い、催告書=法的措置を視野に入れた最後の通知、と使い分けます。
- 遅延損害金:支払いが遅れた分の損害賠償は、利率の約束がなければ法定利率で計算します(民法419条)。法定利率は、令和8年4月1日から令和11年3月31日までは年3%です(民法404条・法務省)。請求するなら、起算日と利率を書きます。
- 時効に注意:債権は、権利を行使できると知った時から5年で時効にかかります(民法166条)。催告をすると6か月は時効が完成しませんが、その間に重ねた催告には、その効力がありません(150条)。
- 記録を残す:いつ・どの方法で・誰に督促したかを記録します。訴訟になった時に、放置していなかったことを示す資料になります。
- 取引を止める判断:未払いが続く相手に納品を続けると損失が広がります。契約の解除条項と、いつ止めるかの社内基準を決めておきます。
よくある質問
Q. 督促状は内容証明で送るべきですか?
A. 初回は普通郵便やメールで十分です。反応がない場合や時効が近い場合は、催告書として内容証明郵便で送ります。
Q. 何回督促しても払われない場合はどうしますか?
A. 支払督促(民事訴訟法382条)、60万円以下なら少額訴訟(368条)、通常の訴訟などの手続を考えます。その前に、催告書を内容証明郵便で送って記録を残す方法もあります。
Q. 遅延損害金は必ず請求すべきですか?
A. 取引を続けたい相手なら、初回は請求せず本体のみとするのが実務的です。回収を優先するか関係を優先するかで判断します。
参考(2026年11月時点):民法(e-Gov法令検索)・令和8年4月1日以降の法定利率について(法務省)・民事訴訟法(e-Gov法令検索)