メニュー表の書き方
メニュー表は、提供する料理と価格を客に示す掲示です。デザインの前に守る決まりがあり、価格は税込の総額で表示します(消費税法63条)。産地や作り方の書き方が実際と違うと、景品表示法の優良誤認表示にあたり、措置命令の対象になることがあります。見た目より先に、書ける表現の範囲を押さえるのが安全です。
メニュー表の書き方 5ステップ
- 提供する料理を分類ごとに並べる(前菜・主菜・ご飯物・飲み物)
- 料理名と説明を書く
- 価格を税込で表示する
- アレルゲンや辛さなど、客が知りたい情報を添える
- 写真を使う場合は実際の提供内容と揃えて印刷する
記入項目の書き方
- 店舗名:店の名前。印刷すると上の「店舗名」に出ます。
- メニュー名:何が出てくるか分かる名前にします。創作名だけだと、何の料理か伝わりにくくなります。
- 説明:主な食材と調理法を一言で。量(1人前か、グラム数)や、アレルゲン・辛さもここに書きます。産地や「自家製」などは、事実のとおりに書きます。
- 価格:税込の総額を書きます。「1,000円(税抜)」のように税込価格が無い書き方は、総額表示になりません。
- 欄が無いもの:サービス料・お通し代などの注意書きを書く欄はありません。表の最後の行の説明に書くか、店内の目立つ所に掲示します。
書き方の注意点
- 総額表示は義務:消費者にあらかじめ価格を表示する時は、消費税を含めた税込価格を表示します。「11,000円(税抜価格10,000円)」のように税抜価格を併せて書くのは認められています。口頭で伝える価格は対象外です(国税庁 No.6902)。
- 店内と持ち帰りで税率が違う:店の設備で食べてもらう食事(外食)は軽減税率の対象外で10%、飲食料品(酒類を除く)の販売は8%です(国税庁 No.6102)。持ち帰りも出す店は、税込価格を分けて書きます。なお、令和9年4月1日から2年間、飲食料品の税率を1%に下げる案が示されています(法案の成立が前提・国税庁の特設サイト)。
- 産地・作り方の表示に注意:消費者庁の考え方では、「国産和牛のステーキ」と書いて実際はオーストラリア産の牛肉、「自家製パン」と書いて実際は市販品、「手打ち麺」と書いて実際は機械打ち、はどれも景品表示法上問題となるとされています(優良誤認表示・5条1号)。仕入先や作り方が変わったら、メニューも直します。
- 写真と実物を揃える:優良誤認にあたるかは、文言や写真の一部ではなく、表示の全体から一般消費者が受ける印象で判断されます(消費者庁の考え方)。盛り付けや量が写真と大きく違うなら、写真を撮り直すか注記を添えます。
- 店で出す料理にアレルゲン表示の義務はない:食品表示基準は、店の設備で飲食させる場合には、一部の規定を除いて適用されません(1条)。アレルゲンの表示が義務なのは、容器包装された加工食品です(消費者庁)。ただし事故を防ぐため、説明に書くか、聞かれた時に確かめて答えられるようにしておきます。
- 特定原材料は9品目:表示が義務の特定原材料は、えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生に、2026年4月からカシューナッツが加わって9品目です(食品表示基準 別表第十四・消費者庁)。メニューに書くなら、まずこの9品目から確かめます。
- お通し・サービス料を明示する:注文していない料金が後から加わると、もめごとの原因になります。入店前や注文前に分かる所に書きます。
- 価格改定の反映漏れ:レジと紙のメニューで価格が違うと、クレームの原因になります。改定の時は、差し替える所を一覧にして漏れなく直します。
よくある質問
Q. 税抜価格を大きく、税込を小さく書いてもよいですか?
A. 財務省の「総額表示に関する主な質問」では、「9,800円(税込10,780円)」のように税抜価格を主にした書き方も、直ちに義務に反するものではないとしています。ただし文字の大きさや色で税抜価格をことさら強調し、税込価格と誤認させるような表示は、総額表示の観点から問題が生じうるほか、景品表示法の問題が生ずるおそれもあるとされています。
Q. アレルギーを聞かれたらどう答えますか?
A. 使っている材料を、仕入れた品の表示などで確かめてから答えます。確かめられない時や、同じ調理器具を使っていて混ざるおそれがある時は、そのまま正直に伝えます。分からないのに「入っていません」と言い切らないことです。
Q. メニューは何種類くらいが適切ですか?
A. 決まりはありませんが、多すぎると仕込みの負担と食材ロスが増えます。出数の少ない料理は定期的に見直します。
参考(2026年11月時点):No.6902 「総額表示」の義務付け(国税庁)・総額表示に関する主な質問(財務省)・No.6102 消費税の軽減税率制度(国税庁)・消費税率引下げ特設サイト(国税庁)・不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)(e-Gov法令検索)・メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について(消費者庁)・食品表示基準(e-Gov法令検索)・食物アレルギー表示に関する情報(消費者庁)