問診票の書き方
問診票は、診察前に患者の症状や既往歴を書いてもらう用紙です。限られた診察時間を有効に使うための道具であり、書かれた内容は、診療の記録として扱われます。項目を増やすほど情報は増えますが、待合室で書ける量には限りがあるため、安全に関わる項目を最優先に並べるのが基本です。
問診票の書き方 5ステップ
- 氏名・生年月日・性別・電話番号を書いてもらう
- 主訴(一番つらい症状)と、いつからかを書いてもらう
- 症状の詳細を書いてもらう
- 既往歴(過去の病気・手術)・アレルギー・今飲んでいる薬を書いてもらう
- 受診日・妊娠の可能性など欄の無いことは、口頭か別紙で確かめる
記入項目の書き方
- 主訴・いつから・症状の詳細:「どこが」「いつから」「どのように」を分けて書けるようにすると、書き漏れが減ります。
- 既往歴:高血圧・糖尿病・心臓の病気など。年月も分かれば書いてもらいます。
- アレルギー:薬と食べ物を分けて聞きます。過去にアナフィラキシーを起こしたことがあれば、目立つように書いてもらいます。
- 現在の服薬:お薬手帳を持ってきてもらうよう一言添えます。飲み合わせの確認に要ります。
- 書く欄が無いもの:受診日と妊娠の可能性を書く欄はありません。投薬や検査に関わるので、該当する人には口頭か別紙で確かめます。
書き方の注意点
- 診療録の保存:医師は診療をしたら診療録に記載し、診療録は5年間保存します(医師法24条)。問診票を診療録とあわせて扱うなら、保存もそれに合わせます。
- 病歴は要配慮個人情報:病歴などは要配慮個人情報で、取るには原則として本人の同意が要ります(個人情報保護法2条3項・20条2項)。個人情報保護委員会と厚生労働省のガイダンスでは、患者が受付で問診票に病状などを書いて受診を申し出ることは、取得されることを前提としているので、その行為で同意があったものと解されるとしています。利用目的は、院内に掲示するなどして公表します(同ガイダンス)。
- 安全に関わる項目を先に:アレルギー・服薬・妊娠は、書き漏らすと事故につながります。用紙の後ろに置くと書かれにくくなります。
- 読める大きさで:高齢の患者が多い科では、字の大きさと欄の広さが、書いてもらえるかを左右します。
- 待合室での配慮:ほかの患者から見えないよう、記入台の置き方やクリップボードの向きに気を配ります。
よくある質問
Q. 問診票は何年保存すればよいですか?
A. 診療録は5年間保存します(医師法24条2項)。問診票を診療録とあわせて扱うなら、同じ期間を目安にします。院内の決まりでもっと長く保存することもあります。
Q. 患者が書きたがらない項目はどうしますか?
A. 強制はできません。ただし診療上必要な理由を説明し、口頭で確認する運用にします。
Q. 電子化してもよいですか?
A. できます。電子で保存するなら、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(第7.0版・令和8年6月)に沿って管理します。
参考(2026年11月時点):医師法(e-Gov法令検索)・個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索)・医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス(個人情報保護委員会・厚生労働省)・医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版(厚生労働省)