賃貸借契約解約通知書の書き方
賃貸借契約解約通知書は、賃貸借契約を終わらせる意思を相手に伝える書面です。重要なのは借主から出す場合と貸主から出す場合で、必要な要件がまったく違うこと。借主は契約書に定めた予告期間を守れば解約できますが、貸主からの解約には借地借家法上の正当事由が必要で、通知しただけでは終了しません。
賃貸借契約解約通知書の書き方 5ステップ
- 通知日と、相手方(貸主・管理会社)を書く
- 対象の契約を特定する(物件名・物件所在地・契約開始日)
- 退去予定日を書き、契約書の予告期間を満たしているか確かめる
- 借主の氏名・連絡先住所(転居先)・電話番号を書く
- 記録の残る方法で送付し、到達日を確認する
記入項目の書き方
- 通知日:発送する日を書きます。予告期間は相手に届いた日から数えるため、余裕をもって送ります。
- 退去予定日:部屋を明け渡す日です。契約が終わる日(解約日)が退去予定日と違う場合は、余白に「令和◯年◯月◯日をもって解約します」と書き足します。予告期間を満たしているか逆算して確認します。
- 物件名・物件所在地・契約開始日:対象の契約を特定します。部屋番号は物件名に含めます。管理会社を通す場合は契約番号も書き足すと確実です。
- 貸主名・管理会社名・担当者名:通知の宛先です。契約書に書かれた貸主・管理会社の名前に合わせます。
- 氏名・連絡先住所(転居先)・電話番号:借主(届出者)の欄です。転居先は退去後の連絡先になります。敷金の返還先口座を伝える場合は、欄がないので余白に書き足します。
- 貸主から出す場合:この書式は借主(届出者)から出す形で、正当事由を書く欄はありません。貸主からの解約の申入れには正当事由が必要なため(下の注意点)、書面を別に作ります。
書き方の注意点
- 借主からの解約:契約書に定めた予告期間を守れば解約できます。予告期間は契約によって違うので、契約書の解約の条項で確かめます。期間の定めのない契約については、民法617条で、建物は解約の申入れの日から3か月を経過すると終了すると定められています。
- 貸主からの解約は正当事由が必要:借地借家法28条により、貸主からの解約申入れには正当事由が必要です。さらに解約申入れから6か月を経過しなければ契約は終了しません。立退料の提供が正当事由を補完する要素として考慮されます。
- 到達日で判断される:意思表示は相手に到達した時に効力を生じます(民法97条)。予告期間は投函日ではなく到達日から数えます。配達証明を付けると確実です。
- 定期借家は通知が必要:期間1年以上の定期借家では、貸主は期間満了の1年前から6か月前までに終了の通知をしなければ、終了を借主に対抗できません(借地借家法38条)。
- 解約と更新拒絶は別:期間途中で終わらせるのが解約、期間満了時に更新しないのが更新拒絶です。要件と通知時期が異なります。
よくある質問
Q. 解約通知は口頭でも有効ですか?
A. 契約書に書面で通知する定めがある場合はそれに従います。口頭では、通知した事実と日付を証明できません。予告期間の起算に関わるため書面にしてください。
Q. 予告期間より短く解約したい場合はどうしますか?
A. 貸主の同意が得られれば可能です。同意が得られない場合の扱い(予告期間に足りない分の賃料を支払うかどうかなど)は、契約書の解約の条項を確かめてください。
Q. 貸主から解約を通知されたら出て行かなければいけませんか?
A. 定期借家でない賃貸借では、貸主からの解約の申入れには正当事由が必要で(借地借家法28条)、正当事由がなければ応じる必要はありません。定期借家が期間満了で終わる場合は扱いが違います(同法38条)。納得できない場合は、まず理由の説明を求めてください。
参考(2026年10月時点):民法(e-Gov法令検索)、借地借家法(e-Gov法令検索)