賃貸借契約更新合意書の書き方
賃貸借契約更新合意書は、期間満了を迎える賃貸借契約を、双方の合意で継続させるための書面です。ここで押さえるべきは合意更新をしなかった場合でも契約は終わらないという点。借地借家法により、貸主が正当事由をもって更新拒絶しない限り、契約は法定更新によって自動的に続きます。ただし法定更新では期間の定めのない契約になります(借地借家法26条1項)。法定更新の場合に更新料を支払うかどうかは、契約書の条項の文言によります。
賃貸借契約更新合意書の書き方 5ステップ
- 更新前の契約を特定する(契約日・物件・当事者)
- 更新後の契約期間を定める
- 賃料・共益費を据え置くか変更するかを定める
- 更新料の額と支払期日を定める
- 連帯保証人の継続について確認し、双方が署名押印する
記入項目の書き方
- 物件名・原契約日:「令和◯年◯月◯日付建物賃貸借契約」と特定できるように書きます。
- 現契約終了日・更新後開始日・更新後終了日:更新後の期間を「令和◯年◯月◯日から令和◯年◯月◯日まで」と書きます。始期は現契約の終了日の翌日にします。
- 更新後賃料:据え置くなら「従前どおり」、変更するなら新旧の額を並べます。
- 更新料:額を書きます(支払期日は余白に書き足します)。更新料は借地借家法に定めがなく、支払う根拠は契約の条項です。原契約の定めを確かめます。
- 連帯保証人:この書式に欄はありません。保証を継続させるなら、保証人の署名を改めて得ます。個人が保証人となる根保証契約は、極度額を定めなければ効力を生じません(民法465条の2第2項)。
- その他の変更:特約の追加・削除があれば余白に書き足します。変更しない条件は「原契約のとおり」と書いておくと明確です。
書き方の注意点
- 法定更新との違い:合意更新は期間を定めて更新するもの。合意に至らなくても、貸主が正当事由をもって更新拒絶しない限り法定更新となり、同一条件で期間の定めのない契約として続きます(借地借家法26条)。
- 法定更新と更新料:法定更新の場合にも更新料を支払うかどうかは、更新料の条項の文言によります。「合意更新の場合」に限った書き方かどうかを確認してください。
- 更新料の条項:額と、どの場合に支払うかを契約書に具体的に書きます。条項の有効性に不安がある場合は、弁護士などの専門家に確認してください。
- 個人保証は極度額が必須:2020年4月1日に施行された改正民法により、個人が保証人となる根保証契約は、極度額を定めなければ効力を生じません(民法465条の2第2項)。更新時に保証契約を結び直す場合は必ず記載します。
- 更新の通知時期:貸主から更新拒絶する場合、期間満了の1年前から6か月前までに通知する必要があります(借地借家法26条)。
よくある質問
Q. 更新合意書を作らないとどうなりますか?
A. 法定更新となり、期間の定めのない契約として継続します(借地借家法26条1項)。借主からの解約は、民法617条では申入れの日から3か月を経過すると終了するとされています(契約書の予告期間の定めも確かめてください)。貸主は正当事由がないと終了させられません(借地借家法28条)。
Q. 更新料を払わないと契約は終了しますか?
A. 有効な更新料条項があれば債務不履行になりますが、直ちに解除が認められるとは限りません。
Q. 更新時に賃料を上げられますか?
A. 合意があれば可能です。合意できない場合は、借地借家法32条の賃料増額請求(調停・訴訟)によることになります。
参考(2026年10月時点):借地借家法(e-Gov法令検索)、民法(e-Gov法令検索)、民事調停法(e-Gov法令検索)、法務省 民法の一部を改正する法律(債権法改正)について