収支内訳書の書き方
収支内訳書は、白色申告で不動産所得・事業所得・山林所得がある人が、その年の総収入金額と必要経費の内容を書いて確定申告書に添付する書類です(所得税法120条6項)。このテンプレートは、1年間の収入と経費を項目ごとに書き出して集計するためのシートです。白色申告でも、帳簿の記帳と保存が必要です。
収支内訳書の書き方 5ステップ
- 氏名(屋号)と対象期間(1月1日〜12月31日)を書く
- 帳簿から、その年の収入金額を項目ごとに集計する
- 売上原価(期首の棚卸高+仕入金額−期末の棚卸高)と、経費を科目ごとに集計する
- 自宅兼事務所の家賃など、業務と家事にまたがる費用は業務の部分だけを計上する
- 明細に項目と金額を書いて合計を出し、確定申告書に添付する収支内訳書に転記する
記入項目の書き方
- 明細:品目・サービス名に「売上(商品名など)」や「地代家賃」などの項目名を書き、数量・単位・単価・金額を入れます。収入と経費を同じ表に並べると合計の意味が変わるため、収入の表と経費の表は分けて作ると確かめやすくなります。
- 収入金額:その年に入金された額ではなく、「その年において収入すべき金額」です(所得税法36条)。簡易な方法で記帳する場合も、掛売上は入金した時に記帳したうえで、年末の売掛金の残高を記載します。
- 家族への給与:白色申告では、生計を一にする配偶者や親族に支払った給与は必要経費にできません。代わりに、要件を満たせば事業専従者控除を受けられます(下の注意点)。
- 減価償却費:取得価額が10万円未満(または使用可能期間が1年未満)の資産は、業務に使い始めた年に全額を必要経費にします。10万円以上の資産は耐用年数に応じて減価償却し、10万円以上20万円未満なら一定の要件の下で3年間で均等に必要経費にすることもできます。
- 備考:別紙にした明細(減価償却費の計算など)や、按分の根拠を書いておきます。
書き方の注意点
- 青色との違い:青色申告には、最高65万円の青色申告特別控除、純損失の翌年以後3年間の繰越し、届出の範囲内で家族への給与を必要経費にできる青色事業専従者給与などの特典があります。白色申告にはこれらはありません。
- 白色でも記帳と保存が必要:収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)は7年、それ以外の帳簿と、請求書・納品書・送り状・領収書などの書類は5年保存します。
- 家事按分の根拠を残す:業務と家事にまたがる費用のうち必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる部分だけです。面積や使用時間など、区分の根拠を記録しておきます。
- 事業専従者控除:生計を一にする15歳以上の家族が、その年を通じて6か月を超えて事業に専ら従事していれば、配偶者は86万円、その他の親族は1人50万円と、「控除前の事業所得等の金額÷(専従者の数+1)」のいずれか低い金額を控除できます。確定申告書に必要な事項を書きます。
- 提出期限:確定申告書とあわせて、確定申告期限(翌年3月15日)までに提出します。
よくある質問
Q. 白色申告から青色申告に変えたほうがよいですか?
A. 事業の状況によります。青色申告には最高65万円の青色申告特別控除などの特典がありますが、控除の額に応じた記帳と、青色申告をしようとする年の3月15日までの承認申請が必要です。
Q. 赤字でも収支内訳書は必要ですか?
A. 確定申告書(還付申告や確定損失申告を含む)を提出するなら、添付が必要です。ただし白色申告で純損失を翌年以後に繰り越せるのは、変動所得の損失や被災事業用資産の損失に限られます(所得税法70条)。
Q. レシートは保存が必要ですか?
A. 必要です。業務に関して作成・受領した請求書・納品書・送り状・領収書などの書類は5年間保存します(収入金額や必要経費を記載した帳簿は7年)。
参考(2026年10月時点):e-Gov法令検索 所得税法(第36条・第70条・第120条・第122条・第123条)/国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」/国税庁 No.2210 必要経費の知識/国税庁 No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除/国税庁 No.2100 減価償却のあらまし/国税庁 No.2070 青色申告制度