衛生管理チェックリストの書き方
衛生管理チェックリストは、食品を扱う現場で日々の衛生状態を確認し記録する帳票です。2021年6月1日から、原則としてすべての食品等事業者がHACCPに沿った衛生管理に取り組むことになりました(厚生労働省)。営業者は衛生管理計画を作り、実施の状況を記録して保存します(食品衛生法施行規則66条の2)。求められているのは難しい分析ではなく、決めたことを毎日確かめ、記録に残すことです。記録が残っていないと、実施したことを示せません。
衛生管理チェックリストの書き方 5ステップ
- 確認日と確認者を書く
- 始業前に、全員の体調・手洗い・制服やエプロンを確かめる
- 冷蔵庫と冷凍庫の温度を温度計で見て、数字で書く
- 終業時に、床・排水溝の清掃とゴミの処理を確かめる
- 問題があった日は、何があってどうしたかを別の紙に書き、表と一緒に保存する
記入項目の書き方
- 体調確認(全スタッフ):始業前に一人ずつ確かめます。下痢・腹痛・発熱・吐き気やおう吐などがある人は、症状をよく聞いて、医師の診察や調理作業の中止が要るかを判断します(施行規則 別表第十七)。手引書の例では、お腹の症状がある人は調理作業に就かせず、手に傷がある人は絆創膏の上から手袋をさせます。
- 手洗い実施:手引書の例では、トイレの後、調理場に入る前、盛り付けの前、作業が変わる時、生の肉や魚を扱った後、お金を触った後、清掃の後に洗います。回数ではなくタイミングで確かめます。
- 制服・エプロン清潔:作業の時は、目的に合った専用の作業着を着ます(施行規則 別表第十七)。汚れていたら着替えさせます(手引書の例)。
- 冷蔵庫温度・冷凍庫温度:温度計で庫内の温度を見て、「4℃」「-18℃」のように数字で書きます。手引書の例では、冷蔵は10℃以下、冷凍は-15℃以下です。外れていたら原因を確かめ、設定を直すか修理を頼みます。
- 床・排水溝清掃:排水溝は、固形物が流れ込まず、排水がうまくいくよう清掃します(施行規則 別表第十七)。
- ゴミ処理:廃棄物の容器は他の容器と区別でき、汚れた液やにおいが漏れないよう清潔にしておきます。食品を扱う場所や保存する場所には、原則として置きません(同)。
書き方の注意点
- 計画と記録はセット:営業者は衛生管理計画を作って働く人に周知し、実施の状況を記録して保存します(施行規則66条の2)。この表は、その記録に使えます。
- 保存期間:施行規則は、記録の保存期間を、取り扱う食品が使われ、または消費されるまでの期間を踏まえて合理的に決めるよう定めています。小規模な一般飲食店向けの手引書は、記録を1年間程度は保管し、保健所の食品衛生監視員から求められたら速やかに見せるよう勧めています。
- 温度は数字で書く:「良好」ではなく「4℃」。数字で残すと、異常が起きた時に前後の動きが追えます。
- この表で足りない所:この表は毎日の一般的な衛生管理の確かめ用です。手引書では、メニューを加熱・冷却などの温度帯で分けて、それぞれの確かめ方を決める(重要管理のポイント)ことになっています。加熱の確認などは別の記録に残します。
- 項目を見直す:チェックが全部つく日ばかりなら、項目が実態に合っていないこともあります。施行規則も、計画と手順書の効果を確かめて、必要なら見直すよう定めています(66条の2)。
- 手引書を使ってよい:飲食店営業は、取り扱う食品の特性に応じた取組(HACCPの考え方を取り入れた衛生管理)の対象です(食品衛生法施行令34条の2・施行規則66条の3)。業界団体が作った手引書が厚生労働省のページに載っているので、一から作らずに使えます。
よくある質問
Q. 小さな飲食店でも衛生管理の記録は必要ですか?
A. 必要です。施行規則は、営業者に衛生管理の実施状況を記録して保存するよう定めています(66条の2)。飲食店は、業界団体の手引書に沿って、取り扱う食品に応じたやり方で取り組めます。
Q. 記録は手書きでないといけませんか?
A. 手書きでなくても構いません。厚生労働省も、記録をつけるアプリを公開しています(HACCPのページ)。保健所から求められた時に、すぐ見せられる形で残します。
Q. 異常がなかった日も記録は必要ですか?
A. 必要です。「異常なし」と記録することが、確認を実施した証拠になります。
参考(2026年11月時点):食品衛生法(e-Gov法令検索)・食品衛生法施行令(e-Gov法令検索)・食品衛生法施行規則(e-Gov法令検索)・HACCP(ハサップ)(厚生労働省)・小規模な一般飲食店事業者向けの衛生管理の手引書(日本食品衛生協会・厚生労働省のページに掲載)