保証契約書の書き方
保証契約書は、債務者が支払えないときに代わりに支払う約束を定める契約書です。保証契約は書面でしなければ効力を生じません(民法446条2項)。口約束では効力が生じません(電磁的記録でした時は書面と同じ扱い・3項)。2020年4月1日に施行された改正民法で、個人が保証人になる時の決まりが加わったため、古い書式のままだと保証契約そのものが効力を生じないおそれがあります。
保証契約書の書き方 5ステップ
- 債権者(甲)・主債務者(乙)・保証人(丙)を書く
- 被保証債務(誰の・どの契約に基づく・どの債務か)を特定する
- 保証金額を書く(個人が根保証をするなら、上限の額=極度額として書く)
- 保証種別(連帯保証か単純保証か)を選ぶ
- 保証人本人が署名押印し、書面として保管する
記入項目の書き方
- 債権者(甲)・主債務者(乙)・保証人(丙):氏名か会社名を書きます。住所を書く欄は無いので、要るなら書き添えます。
- 被保証債務の内容:例の「2026年4月1日付金銭消費貸借契約に基づく元本・利息」のように、どの契約のどの債務かを一つに決まるように書きます。
- 保証金額:保証する額を書きます。個人が、一定の範囲の不特定の債務をまとめて保証する根保証(例: 賃貸借の保証)をする時は、上限の額(極度額)を書面で定めないと、保証契約は効力を生じません(民法465条の2)。
- 保証種別:連帯保証か単純保証かを選びます。書類の頭に印刷される一文は、連帯保証なら「下記債務について連帯して保証する」、単純保証なら「下記債務について保証する」と、選んだ種類に合わせて変わります。
- 保証期間:書く欄はありません。個人が貸金等の債務を根保証する時、元本が確定する日(元本確定期日)は契約の日から5年以内で定めます。5年より後の日にした定めは効力を生じず、定めが無ければ契約の日から3年を経過する日になります(民法465条の3)。
書き方の注意点
- 書面がないと効力が無い:保証契約は、書面(または電磁的記録)でしなければ効力を生じません(民法446条2項・3項)。
- 個人根保証の極度額:2020年4月1日から、個人が保証人になる根保証契約は、極度額を定めなければ効力を生じません(民法465条の2)。賃貸借の保証も当たるので、「一切の債務を保証する」だけの書き方は使えません。
- 連帯保証と単純保証の違い:単純保証の保証人は、まず主債務者に催告するよう求められ(催告の抗弁・民法452条)、主債務者に弁済の資力があり執行が容易なことを証明すれば、先に主債務者の財産に執行させられます(検索の抗弁・453条)。連帯保証人には、この2つがありません(454条)。
- 事業の借入れの保証には公正証書:事業のために負担した貸金等の債務を個人が保証する時は、契約の前1か月以内に作った公正証書で、保証人になろうとする人が保証債務を履行する意思を示していないと、効力を生じません(民法465条の6)。主債務者の会社の取締役や、議決権の過半数を持つ人などは除かれます(465条の9)。
- 主債務者の情報提供の義務:事業のための債務の保証を個人に頼む時、主債務者は、財産と収支の状況・ほかの債務の有無と額と返済の状況・ほかに出している担保を、頼む相手に伝えます(民法465条の10)。伝えなかったり違うことを伝えたりして保証人が誤解し、債権者がそれを知り、または知ることができた時は、保証人は保証契約を取り消せます。
よくある質問
Q. 連帯保証人になるとどうなりますか?
A. 連帯保証人は、催告の抗弁と検索の抗弁を持ちません(民法454条)。債権者は、主債務者に先に請求しなくても、連帯保証人に請求できます。
Q. 極度額はいくらに設定すればよいですか?
A. 想定される最大の債務額を目安にします。過大な額は保証人が応じにくく、過小だと債権者の保護が不十分になります。
Q. 保証契約を後から解除できますか?
A. 保証人の側の都合だけでは、原則としてやめられません。個人の根保証では、保証人の死亡や破産手続開始の決定などで元本が確定し(民法465条の4)、その後に生じる債務は保証の対象になりません。
参考(2026年11月時点):民法(e-Gov法令検索)・民法の一部を改正する法律(債権法改正)について(法務省)