食材発注書の書き方
食材発注書は、飲食店や給食施設が仕入先へ食材を注文する書類です。他の発注と違うのは、数量を誤ると廃棄か欠品に直結すること。だから発注書そのものより、在庫を見てから発注する仕組みと、仕入れた食材をたどれる記録を残すことが、実務では重要になります。
食材発注書の書き方 5ステップ
- 今ある在庫を確かめる
- 予約数や過去の出数から、要る量を見積もる
- 発注日・納品希望日・業者名を書く
- 品目・数量・単位・単価を書き、消費税率を選ぶ
- 届いた時に中身を確かめ、発注書と納品書を一緒に保管する
記入項目の書き方
- 発注日・納品希望日:業者ごとの受注の締め時刻と配送日を確かめて決めます。
- 業者名:仕入先の正式な名前を書きます。問題が起きた時に、どこから来た食材かをたどる手がかりになります。
- 品目:「豚肉」ではなく「豚ロース スライス 2mm」のように規格まで書きます。規格が違うと調理が変わります。
- 数量・単位:単位は「個」などから選べます。kgやケースで頼む品は、品目の欄に「(kg)」「(1ケース12個入り)」のように書き添えます。ケースと個を取り違えると、量が何倍にもなります。
- 単価:生鮮品は時価で動くので、その時の単価を書きます。金額・小計・消費税額・合計は自動で出ます。
- 消費税率:食材の仕入れは、酒類を除いて軽減税率8%です。酒類や、洗剤などの食材以外は10%です(国税庁 No.6102)。税率は1枚に1つしか選べないので、税率の違う品は発注書を分けます。
- 備考:「冷蔵便で」「午前中着」など、届け方の希望を書きます。
書き方の注意点
- 在庫を見てから発注する:勘で発注すると、廃棄や欠品が起きやすくなります。在庫の確認→必要量の見積もり→発注の順を守ります。
- 届いた時に確かめる:小規模な一般飲食店向けの手引書(日本食品衛生協会・厚生労働省のページに掲載)は、原材料が届いた時に、外観・におい・包装の状態・表示(期限・保存方法)を確かめ、問題があれば返品・交換するよう示しています。
- 仕入れの記録を残す:食品衛生法は、仕入先の名称などの記録を作って保存するよう努めることを求めています(3条2項)。問題が起きた時に、どこから来た食材かをたどるための記録です。
- 発注書と納品書を突き合わせる:発注数と納品数の差を放置すると、原価が合わなくなります。届いた時に必ず照合します。
- 締め時刻を守る:仕入先の受注締め時刻を過ぎると翌日以降の納品になります。定休日や連休前は前倒しの発注が必要です。
- 税率が変わる予定:令和9年4月1日から2年間、飲食料品(今8%のもの)の税率を1%に下げる案が示されています(法案の成立が前提・国税庁の特設サイト)。
よくある質問
Q. 発注書は毎回作る必要がありますか?
A. 定番品は定期発注、変動品はその都度が実務的です。ただし数量の記録は毎回残してください。
Q. 電話やメッセージアプリでの発注でもよいですか?
A. 可能ですが、言った言わないが起きます。数量と規格は文字で残る形にすることを勧めます。
Q. 仕入記録は何年保存しますか?
A. 食品衛生法施行規則は、衛生管理の記録の保存期間を、取り扱う食品が使われ、または消費されるまでの期間を踏まえて合理的に決めるよう定めています(66条の2)。小規模な一般飲食店向けの手引書は、記録を1年間程度は保管するよう勧めています。税の決まりでは、発注書や納品書は、法人は7年、個人事業主は5年保存します(国税庁)。
参考(2026年11月時点):食品衛生法(e-Gov法令検索)・食品衛生法施行規則(e-Gov法令検索)・小規模な一般飲食店事業者向けの衛生管理の手引書(日本食品衛生協会・厚生労働省のページに掲載)・No.6102 消費税の軽減税率制度(国税庁)・消費税率引下げ特設サイト(国税庁)・No.5930 帳簿書類等の保存期間(国税庁)・No.2070 青色申告制度(国税庁)・No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度(国税庁)