工程表の書き方
工程表は、工事の作業を時間軸に並べて全体の流れを示す表です。目的は日程の共有だけでなく、どの作業が遅れると全体が遅れるかを見えるようにすること。この「遅れが全体に直結する経路」をクリティカルパスと呼び、ここに人と管理を集中させるのが工程管理の要点です。
工程表の書き方 5ステップ
- 工事名称・全体着工日・全体完工予定を書く
- 工事全体を作業(工種)に分ける
- 各作業の所要日数を見積もり、順序(どれが終わらないと始まらないか)を整理する
- 「工程と期間」に、例の「1. 基礎工事: 4/1〜4/20」のように順に書く
- 遅れが全体に響く作業(クリティカルパス)を確かめ、予備日を置いて仕上げる
記入項目の書き方
- 工事名称・全体着工日・全体完工予定:契約書の工期と合わせます。
- 工程と期間:工種(仮設・土工・基礎・躯体・仕上・設備・外構など)ごとに、始まりと終わりの日を書きます。細かすぎると管理できません。
- 書き添えるとよいこと:担当の業者、動かせない日程(中間検査・上棟・引渡しなど)、天候の予備日。欄は1つなので、工程と期間の欄に書き添えます。
書き方の注意点
- バーチャートとネットワーク式:バーチャート(横棒の工程表)は見やすく現場向き。ただし作業の依存関係は表せません。ネットワーク式は依存関係とクリティカルパスがはっきりしますが、作るのに手間がかかります。
- クリティカルパスを押さえる:余裕がゼロの作業のつながりがクリティカルパスです。ここが1日遅れると工期が1日延びます。
- 天候の予備日を取る:屋外の工事では、雨で止まる日が出ます。予備日を組み込みます。
- 工期の変更は書面で:工事着手と完成の時期は、建設工事の請負契約の書面に書く事項で(建設業法19条1項3号)、変える時は変更の内容を書面に書き、署名か記名押印をして相互に交付します(19条2項)。
- 著しく短い工期の禁止:注文者は、通常必要な期間に比べて著しく短い工期で請負契約を結んではならず、建設業者も、そのような工期で請け負ってはなりません(建設業法19条の5)。
- 更新して掲示する:作って貼ったままでは使われません。実績を定期的に反映し、遅れが出たら組み直します。
よくある質問
Q. 工程表は誰が作りますか?
A. 元請の現場代理人や工事担当者が作り、各業者と調整して決めることが多いです。
Q. 遅れが出たらどうしますか?
A. クリティカルパス上の作業なら、人員追加や並行施工で回復を図ります。それ以外なら余裕日で吸収できるか確認します。
Q. 工期に余裕をどのくらい見ますか?
A. 工事の内容と季節によります。屋外の工事では、雨の多い時期ほど予備日を多めに見込みます。
参考(2026年11月時点):建設業法(e-Gov法令検索)