青色申告承認申請書の書き方
所得税の青色申告承認申請書は、青色申告の承認を受けるために納税地の所轄税務署長へ出す書類です。青色申告をすると、最高65万円の青色申告特別控除(要件あり)、純損失の翌年以後3年間の繰越し、家族に支払う給与を届出の範囲で必要経費にできる青色事業専従者給与などの特典があります。提出期限が決まっているので、開業する人は開業届と一緒に用意すると出し忘れを防げます。
青色申告承認申請書の書き方 5ステップ
- 申請者の氏名・住所・屋号を書く
- 事業の種類を書く
- 青色申告を始めたい年分(適用開始年)を書く
- 簿記方式(複式簿記か簡易簿記か)を選び、備え付ける帳簿の名前を書く
- 国税庁の申請書に記入し、期限までに納税地の所轄税務署へe-Taxか書面(持参・送付)で提出する
記入項目の書き方
- 事業の種類:青色申告ができるのは、不動産所得・事業所得・山林所得を生ずべき業務を行う人です(所得税法143条)。給与所得や雑所得だけの人は対象になりません。
- 適用開始年:青色申告を始めたい年分を「令和◯年分」のように書きます。その年分の提出期限に間に合うかを確かめてから書きます。
- 簿記方式:最高55万円・65万円の控除を受けるには、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)による記帳が要件の1つです。それ以外(簡易簿記など)の青色申告者の控除は最高10万円です。
- 備付帳簿名:備え付ける帳簿の名前を書きます。簡易な記帳では、現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳などを備え付けます。
書き方の注意点
- 提出期限が最重要:①原則=青色申告をしようとする年の3月15日まで ②その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合=事業開始等の日から2か月以内。期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、その翌日が期限です。
- 65万円と55万円の違い:最高55万円の控除は、不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営み、正規の簿記の原則で記帳し、貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付して、期限内に申告した場合に受けられます。これに加えてe-Taxによる電子申告か、優良な電子帳簿の要件を満たした保存(届出書が必要)を行うと、最高65万円になります。
- 帳簿の保存:帳簿と書類は原則として7年間保存します。請求書・見積書・納品書・送り状などは5年間の保存でよいとされています。
- 青色事業専従者給与:生計を一にする15歳以上の家族で、事業に専ら従事している人への給与は、事前に提出した届出書の金額の範囲内で、労務の対価として適正な金額なら必要経費にできます。「青色事業専従者給与に関する届出書」の期限は、必要経費に算入しようとする年の3月15日(1月16日以後に開業した場合や新たに専従者がいることとなった場合は、その日から2か月以内)です。
- みなし承認:承認を受けようとする年の12月31日(その年の11月1日以降に新たに業務を開始した場合は、翌年2月15日)までに承認または却下の処分がなかったときは、承認されたものとみなされます。
よくある質問
Q. 開業届と一緒に出せますか?
A. 出せます。開業届だけでは青色申告になりません。1月16日以後に開業した場合、青色申告承認申請書の期限は開業の日から2か月以内なので、開業届と一緒に用意すると出し忘れを防げます。
Q. 白色申告から青色申告に変えられますか?
A. 変えられます。青色申告をしようとする年の3月15日までに申請書を提出します(土・日曜日・祝日等に当たる場合は、その翌日まで)。
Q. 複式簿記は自分でできますか?
A. 自分で記帳して構いません。最高55万円・65万円の控除を受けるには、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳し、貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付して、期限内に申告する必要があります。
参考(2026年10月時点):国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」/国税庁 No.2070 青色申告制度/国税庁 No.2072 青色申告特別控除/国税庁 No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除/e-Gov法令検索 所得税法(第143条・第147条)