出勤簿の書き方
出勤簿は、従業員の労働日と労働時間を記録する帳簿です。使用者には労働時間を適正に把握する責務があり(厚生労働省のガイドライン)、出勤簿・賃金台帳・労働者名簿は「法定三帳簿」と呼ばれます。残業代を計算する根拠になる記録です。
出勤簿の書き方 5ステップ
- 対象月と氏名を書く
- 日ごとに、日付・出勤・退勤・休憩を書く(有給・欠勤・休日などの区分は備考に)
- 実働(出勤から退勤までの時間から休憩を引いた時間)と残業を書く
- 深夜(22時〜翌5時)と法定休日の労働時間は、備考に分けて書く
- 月の労働日数と総労働時間を確かめ、印刷して保存する
記入項目の書き方
- 対象月:賃金計算期間に合わせます(毎月20日締めなら前月21日〜当月20日)。
- 出勤・退勤:実際に業務を開始・終了した時刻を書きます。所定時刻をそのまま書き写すのは適正な把握とはいえません。
- 休憩:労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩が必要です(労働基準法34条)。
- 実働:出勤から退勤までの時間から休憩を引いた時間です。
- 残業:法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた時間です。割増賃金(25%以上。月60時間を超えた分は50%以上)の計算の根拠になります(労働基準法37条)。
- 備考:有給・欠勤・休日などの区分と、深夜(22時〜翌5時。25%以上の割増)・法定休日(35%以上の割増)に働いた時間を書きます(労働基準法37条・割増賃金の率を定める政令)。
書き方の注意点
- 客観的な記録が原則:労働安全衛生法66条の8の3により、労働時間の状況はタイムカードによる記録、パソコン等の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法で把握することが求められます(労働安全衛生規則52条の7の3)。自己申告のみで済ませる場合は実態調査などの措置が必要です。
- 保存期間:労働基準法109条により保存義務があります(改正で5年、当面の経過措置として3年)。
- 1分単位が原則:労働時間は毎日適正に把握し、1分単位で計算します。1日ごとに、一定時間に満たない労働時間を一律に切り捨て、その分の賃金を支払わないことは労働基準法違反です。例外として、1か月の時間外・休日・深夜それぞれの合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることは認められています(厚生労働省)。
- 管理監督者も対象:労働時間規制の適用が除外される管理監督者も、健康確保の観点から労働時間の状況把握の対象です(労働安全衛生法66条の8の3)。深夜(22時〜翌5時)の割増賃金も支払う必要があります(厚生労働省)。
よくある質問
Q. 出勤簿は手書きでもよいですか?
A. 形式に決まりはありませんが、自己申告のみの手書きは客観的記録とはいえないため、実態との乖離がないか確認する仕組みが必要です。
Q. タイムカードがあれば出勤簿は不要ですか?
A. タイムカードが要件を満たしていれば、それが出勤簿の役割を果たします。別に紙の出勤簿を作る必要はありません。
Q. 有給休暇はどう記録しますか?
A. 出勤簿に有給の取得日を記録します。あわせて、年次有給休暇を与えた時は、時季・日数・基準日を労働者ごとに明らかにした「年次有給休暇管理簿」を作り、保存します(労働基準法施行規則24条の7。5年、当分の間は3年)。
参考(2026年10月時点):労働基準法(e-Gov法令検索)・労働基準法施行規則(e-Gov法令検索)・割増賃金の率の最低限度を定める政令(e-Gov法令検索)・労働時間を適正に把握し正しく賃金を支払いましょう(厚生労働省)・労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(厚生労働省)・労働安全衛生法(e-Gov法令検索)・労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)・労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために(厚生労働省)