承諾書の書き方
承諾書は、相手からの申し出や条件を受け入れる意思を書面で示す書類です。民法では、申込みに対する承諾によって契約が成立するとされており(民法522条)、承諾書はその承諾の意思表示を証拠として残すもの。本人の権利や身体・情報に関わることを認める「同意書」とは、想定している場面が異なります。
承諾書の書き方 5ステップ
- 日付と宛先(会社名・氏名)を書く
- 件名に、どの依頼への返事かを書く
- 承諾事項・条件に、引き受ける内容(日時・演題など)を書く
- 条件を付けるなら、その条件をはっきり書く
- 会社名と氏名を書き、署名か押印をして渡す
記入項目の書き方
- 日付:承諾の意思を伝える日です。
- 宛先(会社名)・宛先(氏名):依頼をしてきた相手。この様式は「様」が自動で付かないので、「田中 様」のように書きます。
- 件名:「セミナー講師のご依頼について」のように、どの依頼かを特定します。
- 承諾事項・条件:「ご依頼いただいたセミナー講師の件、謹んでお引き受けいたします」に続けて、日時・演題などを書きます。条件を付けるならここに書きます。
- 会社名・氏名:差出人です。法人として引き受けるなら、権限のある人の名前にします。
書き方の注意点
- 承諾で契約が成り立つ:契約は、申込みに対して相手が承諾をした時に成り立ちます(民法522条1項)。法令に特別の定めがある場合を除き、書面でなくても成り立ちます(522条2項)。承諾書は、承諾を示した証拠になります。
- 条件付きの承諾は新しい申込み:条件を付けたり変更を加えたりして承諾すると、申込みを断って新しい申込みをしたものとみなされます(民法528条)。相手がそれを承諾するまで、契約は成り立ちません。
- 撤回は難しい:承諾の意思表示は、相手に届いた時に効力を生じます(民法97条1項)。届いて契約が成り立った後は、一方的に取り消せません。迷いがあるうちは送らないことです。
- 同意書との使い分け:承諾書=相手の申し出や条件を受け入れる/同意書=自分の権利・身体・情報の取扱いを認める。求められている方に合わせてください。
- 権限の確認:法人で担当者名義の承諾書を出す場合、その担当者に契約を結ぶ権限があるかを社内で確かめておきます。
- 収入印紙:一方だけが作る承諾書でも、契約の成立を証する文書なら、印紙税の「契約書」に含まれます(印紙税法 別表第一 課税物件表の適用に関する通則5)。中身が請負の契約などにあたると、課税文書になります。
よくある質問
Q. 承諾書を出せば契約は成立しますか?
A. 申込みの内容をそのまま受け入れる承諾なら、その承諾が相手に届いた時に契約が成り立ちます(民法522条・97条)。条件を付けた場合は、新しい申込みになります(528条)。
Q. メールでの承諾でも有効ですか?
A. 有効です。法令に特別の定めがある場合を除き、契約の成立に書面などの方式は要りません(民法522条2項)。後から内容を確かめられるよう、承諾する対象を書いて保存します。
Q. 承諾書に押印は必要ですか?
A. 法律上、承諾書に押印は求められていません。押印するかは、相手との取り決めや慣行によります。
参考(2026年11月時点):民法(e-Gov法令検索)・印紙税法(e-Gov法令検索)・No.7102 請負に関する契約書(国税庁)