出金伝票の書き方
出金伝票は、現金で支払いをしたことを記録する伝票です。実務で最も価値を発揮するのは、領収書が出ない支払い——電車賃、自動販売機、慶弔費、割り勘の会食など。これらは領収書がないだけで経費にならないわけではなく、出金伝票が支出の記録として証拠になります。ただし何でも通るわけではなく、書き方に条件があります。
出金伝票の書き方 5ステップ
- 支払日を記入する
- 支払先を記入する
- 勘定科目を選ぶ
- 支払いの内容(摘要)を具体的に記入する
- 金額を記入し、承認を受けて保管する
記入項目の書き方
- 支払日:実際に支払った日。後日まとめて起票する場合も、日付は支払日にします。
- 支払先:「◯◯鉄道」「◯◯商店」。「不明」は認められにくいです。
- 勘定科目:旅費交通費、消耗品費、接待交際費、諸会費など。
- 摘要:ここが最も重要です。「交通費」ではなく「◯◯社訪問のため 新宿→横浜 往復」。目的と経路を書きます。
- 金額:1円単位で正確に。
- 承認欄:起票者と承認者。本人だけで完結させないのが不正防止の基本です。
書き方の注意点
- 領収書がなくても経費にできる:電車賃、香典、自動販売機での購入など、領収書の発行を受けられない支出は出金伝票で記録します。ただし目的と相手が具体的に書かれていることが前提です。
- 何でも通るわけではない:領収書があるのに出金伝票で代用する、摘要が「雑費」だけ、金額が不自然に大きい——こうした伝票は税務調査で否認されるおそれがあります。
- 慶弔費は補強資料を残す:香典や祝儀は領収書が出ません。案内状や会葬礼状、招待状を一緒に保管すると、支出の事実を裏づけられます。
- 収入印紙は不要:出金伝票は社内文書であり、課税文書ではありません。
- 小口現金と紐づける:小口現金から支払った場合、出金伝票の合計と現金残高が一致するはずです。定期的に実査して差異を確認します。
- 保存期間:帳簿書類として、法人は原則7年、個人事業主は5〜7年の保存が必要です。
よくある質問
Q. 領収書をなくした場合も出金伝票で代用できますか?
A. できますが、常態化すると信用性が下がります。再発行を依頼するか、クレジット明細など他の証拠を添えてください。
Q. 出金伝票に上限額はありますか?
A. 法令上の上限はありません。ただし高額な支出を領収書なしで処理していると、説明を求められます。
Q. 交通系ICカードの利用はどう記録しますか?
A. 利用履歴を印刷して添付するのが確実です。履歴が取れる場合は、出金伝票より証拠力が高くなります。