勤務表の書き方
勤務表は、実際に働いた時間を日ごとに記録する帳票です。目的は給与計算だけではなく、時間外労働が法律の上限を超えていないかを管理することにあります。2019年から罰則付きの上限規制が施行され、月45時間・年360時間を超える時間外労働は原則として認められません。勤務表はその管理の土台になります。
勤務表の書き方 5ステップ
- 対象期間(賃金計算期間)と氏名を記入する
- 日ごとに始業・終業時刻と休憩時間を記録する
- 所定労働時間を超えた分を時間外として集計する
- 深夜(22時〜翌5時)と法定休日の労働を分けて集計する
- 月の時間外合計を確認し、上限に近づいていれば対策を取る
記入項目の書き方
- 始業・終業時刻:実際に業務を開始・終了した時刻。所定時刻を書き写すのは適正な把握ではありません。
- 休憩時間:6時間超で45分以上、8時間超で1時間以上が必要です(労働基準法34条)。
- 時間外労働:法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた時間。上限規制の対象です。
- 深夜労働:22時〜翌5時。25%以上の割増が必要で、管理監督者にも適用されます。
- 法定休日労働:週1日(または4週4日)の法定休日に働いた時間。35%以上の割増です。
- 月間合計:時間外の累計。45時間に近づいた時点で警告する運用にすると超過を防げます。
書き方の注意点
- 時間外労働の上限規制:原則月45時間・年360時間。36協定の特別条項を結んでも、①年720時間以内 ②複数月平均80時間以内(休日労働含む) ③月100時間未満(休日労働含む) ④月45時間超は年6回まで、という上限があり、違反には罰則があります。
- 客観的な記録が必要:労働安全衛生法66条の8の3により、労働時間の状況はタイムカード、パソコンの使用記録等の客観的な方法で把握する必要があります。
- 1分単位で計算する:日ごとに15分単位で切り捨てる運用は賃金の全額払い違反になり得ます。1か月の合計時間について30分未満切捨て等の処理は認められています。
- 保存期間:労働関係に関する重要書類として保存義務があります(労働基準法109条。改正で5年、当面の経過措置として3年)。
- 管理監督者も把握対象:労働時間規制の適用が除外される管理監督者も、健康確保の観点から労働時間の状況把握の対象です。
よくある質問
Q. 勤務表と出勤簿は違いますか?
A. 呼び方の違いで、実質は同じ役割です。法定三帳簿としては「出勤簿」の名称が使われます。
Q. 自己申告制でもよいですか?
A. 原則は客観的記録です。やむを得ず自己申告による場合は、実態調査や、実際の在社時間との乖離の確認などの措置が必要です。
Q. 月45時間を超えたらどうなりますか?
A. 36協定の特別条項がなければ違法です。特別条項があっても年6回までの制限があります。