施工体制台帳の書き方
施工体制台帳は、建設工事に関わるすべての下請業者と技術者を一覧にした帳簿です。建設業法24条の8により、元請業者が一定の要件を満たす工事で作成する義務があります。目的は誰がどの範囲を施工しているかを明らかにして、安全と品質、そして適正な施工を確保すること。現場に備え置き、発注者から請求があれば閲覧させる必要があります。
施工体制台帳の書き方 5ステップ
- 元請業者の情報(許可番号、監理技術者等)を記入する
- 発注者・工事名称・工期・請負金額を記入する
- 下請業者ごとに、商号・許可番号・工事内容・工期を記入する
- 各社の主任技術者・専門技術者を記入する
- 施工体系図を作成し、現場に掲示する
記入項目の書き方
- 許可番号:元請・下請とも建設業許可の番号と許可年月日。無許可業者と契約していないかの確認にもなります。
- 監理技術者・主任技術者:氏名と資格。専任が必要な工事では他現場との兼務ができません。
- 下請の工事内容:どの範囲を担当するか。重複や空白があると責任の所在が不明になります。
- 下請の工期:各社の着手日と完了日。全体工程との整合を確認します。
- 再下請の情報:二次・三次下請まですべて記載します。再下請負通知書を受けて追記します。
- 社会保険等の加入状況:健康保険・厚生年金・雇用保険の加入状況を記載します。未加入業者の排除が目的です。
書き方の注意点
- 作成義務が生じる金額:建設業法施行令により、下請契約の請負代金の総額が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)の場合、特定建設業者は施工体制台帳の作成が必要です(2023年1月1日から現行の金額)。
- 公共工事は金額を問わない:公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律により、公共工事では下請契約を締結したすべての場合に作成義務があります。
- 施工体系図の掲示:台帳とあわせて施工体系図を作成し、工事関係者が見やすい場所(公共工事では公衆が見やすい場所にも)に掲示します。
- 現場への備付け:台帳は工事現場ごとに備え置きます。発注者から請求があれば閲覧に供する義務があります。
- 保存期間:建設業法により、営業に関する図書として目的物の引渡しから10年間の保存が必要です。
- 再下請負通知書:一次下請が二次下請と契約した場合、元請に対して再下請負通知書を提出します。元請はこれを受けて台帳を更新します。
よくある質問
Q. 下請金額が基準未満なら作成不要ですか?
A. 民間工事では不要です。ただし公共工事は金額にかかわらず必要です。また発注者から求められることもあります。
Q. 台帳はいつまでに作成しますか?
A. 下請契約を締結したときに遅滞なく作成し、工事の進行に応じて随時更新します。工事着手前に整えるのが基本です。
Q. 電子データで作成・保存できますか?
A. できます。現場で速やかに閲覧できる状態にしておく必要があります。