稟議書の書き方
稟議書は、会議を開かずに関係者へ順に回して承認を得るための書類です。決裁者は多数の稟議を短時間で見るため、「何を・いくらで・なぜ今・承認しないとどうなるか」が冒頭で分からないものは後回しにされます。稟議が通らない理由の多くは内容の是非ではなく、判断に必要な情報が揃っていないことです。
稟議書の書き方 5ステップ
- 件名を、承認してほしいことが分かる形で書く
- 結論(何を承認してほしいか)と金額を最初に書く
- 背景と、なぜ必要かを書く
- 比較検討した他の選択肢と、選んだ理由を書く
- 費用の内訳・スケジュール・想定リスクを書いて回付する
記入項目の書き方
- 件名:「◯◯システム導入の件(初期費用120万円)」のように、内容と金額を件名に入れます。
- 決裁事項:承認してほしいことを1文で。「以下のとおり承認をお願いします」。
- 金額:初期費用と継続費用(月額・年額)を分けます。継続費用を書かない稟議は差し戻されます。
- 背景・目的:なぜ今必要か。放置した場合に何が起きるかも書きます。
- 比較検討:他社製品や他の方法と比べた表を添えます。1案だけの稟議は「検討していない」と読まれます。
- スケジュール:いつまでに決裁が必要か。期限を書かないと後回しになります。
- リスク:想定される問題と、その対処。書いてあると信頼されます。
書き方の注意点
- 結論を先頭に:背景から書き始めると、何を承認するのか分からないまま読ませることになります。金額と結論を最初に置きます。
- 継続費用を必ず書く:初期費用だけ書いて月額を伏せると、承認後に発覚して信用を失います。年間総額と契約期間まで書きます。
- 決裁権限規程を確認する:金額により決裁者が変わります(例:50万円未満は部長、それ以上は役員)。宛先を間違えると回付が止まります。
- 事前に根回しする:稟議書は形式を整える手段であり、合意形成の手段ではありません。関係部署には事前に説明しておくと止まりません。
- 差し戻しの主な理由:①金額の内訳がない ②比較検討がない ③期限が書いていない ④効果が定量的でない。この4つを潰せば大半は通ります。
よくある質問
Q. 稟議書はどのくらいの分量が適切ですか?
A. A4で1枚が基本です。詳細な見積や比較表は別紙にして、本文は判断に必要な情報だけにします。
Q. 効果を数字で書けない案件はどうしますか?
A. 「削減できる時間」「防げるリスクの大きさ」など、間接的でも定量化を試みます。難しい場合は、判断材料として何を重視してほしいかを明記します。
Q. 電子稟議でも書き方は同じですか?
A. 同じです。むしろ画面で読まれるため、結論を先頭に置く重要性が増します。