家賃督促状の書き方
家賃督促状は、滞納された賃料の支払いを求める書面です。賃貸借は継続的な関係であるため、1〜2か月の滞納で直ちに契約解除が認められることはほとんどありません。裁判所は信頼関係が破壊されたかを基準に判断し、実務では3か月以上の滞納が一つの目安とされています。だから督促は段階を踏み、その記録を残すことが重要になります。
家賃督促状の書き方 5ステップ
- 滞納の月と金額を確認する
- 第1段階として、電話や書面で支払いを促す
- 改善しなければ督促状を送り、支払期限を切る
- 保証会社が付いていれば速やかに通知する
- 3か月程度に達したら、内容証明で催告し契約解除を検討する
記入項目の書き方
- 滞納月と金額:「令和◯年◯月分〜◯月分 合計◯円」。共益費や駐車場代も分けて記載します。
- 支払期限:「本書到達後7日以内」など。具体的に切ります。
- 振込先:改めて記載します。口座が分からず払えていない場合もあります。
- 連絡の依頼:支払えない事情があるなら連絡してほしい旨を書きます。連絡が来れば分割や退去の話に進めます。
- 解除の予告:段階が進んだ段階で「期限内に支払いがない場合は契約を解除します」と明記します。
- 連帯保証人・保証会社:通知する旨を伝えます。実際に通知した日も記録します。
書き方の注意点
- 信頼関係破壊の理論:賃料の不払いがあっても、賃貸借の継続を著しく困難にする程度の不信行為がなければ解除は認められないとされています。裁判例では3か月以上の滞納が目安とされることが多く、1か月では認められにくいのが実情です。
- 解除には催告が必要:契約を解除するには、原則として相当の期間を定めた催告が必要です(民法541条)。内容証明郵便+配達証明で送り、到達日を残します。
- やってはいけない取立て:鍵の交換、荷物の撤去、無断での立入り、張り紙などは自力救済として違法です。損害賠償の対象になり、刑事責任を問われることもあります。
- 保証会社への通知は早く:保証委託契約では、滞納発生から一定期間内に通知することが代位弁済の条件になっていることがあります。通知が遅れると保証されないおそれがあります。
- 記録を残す:督促した日、方法、相手の反応をすべて記録します。訴訟になったとき、催告と信頼関係破壊の立証に使えます。
- 時効に注意:賃料債権の消滅時効は原則5年です。長期滞納を放置すると回収できなくなります。
よくある質問
Q. 1か月の滞納で退去してもらえますか?
A. ほぼ認められません。信頼関係が破壊されたと評価される程度の滞納(一般に3か月以上)が必要とされています。
Q. 鍵を交換して入れないようにしてもよいですか?
A. 違法です。自力救済は認められず、損害賠償や住居侵入罪などの責任を問われる可能性があります。
Q. 連帯保証人に直接請求できますか?
A. できます。連帯保証人は借主と同じ責任を負うため、借主に請求せずに直接請求することも可能です。