領収書の書き方
領収書は、代金を受け取ったことを証明する書類です。民法486条により、支払った側は受取証書の交付を請求できるため、求められたら発行義務があります。実務で間違えやすいのは収入印紙で、記載金額が5万円以上だと印紙税第17号文書として課税されます。貼り忘れると本来の3倍の過怠税がかかります。
領収書の書き方 5ステップ
- 発行日(実際に金銭を受け取った日)を書く
- 宛名を書く(「上様」ではなく正式名称で)
- 金額を書く(改ざん防止のため頭に「¥」、末尾に「−」を付ける)
- 但し書きに、何の代金かを具体的に書く
- 発行者の名称・住所を書き、5万円以上なら収入印紙を貼って消印する
記入項目の書き方
- 発行日:受領した日です。請求日や納品日ではありません。
- 宛名:「上様」は税務上認められないことがあります。会社名や氏名を正式名称で書きます。
- 金額:3桁ごとにカンマを入れ、「¥50,000−」のように前後を閉じます。空白を残すと書き足される危険があります。
- 但し書き:「お品代」ではなく「書籍代として」「◯月分コンサルティング料として」。経費の内容が分からないと相手が処理できません。
- 発行者:名称・住所・連絡先。押印は法的には不要ですが慣行として押されます。
- 登録番号:適格請求書発行事業者なら記載します。領収書を適格簡易請求書として使えるようになります。
書き方の注意点
- 収入印紙は5万円以上:第17号文書として、記載金額5万円以上100万円以下は200円、100万円超200万円以下は400円と階段状に上がります。5万円未満は非課税です。
- 消費税を分けると印紙が安くなる:「税抜金額49,000円 消費税4,900円 合計53,900円」のように消費税額を区分して記載すれば、印紙税は税抜金額で判定され非課税になります。合計だけの表記だと5万円超で課税されます。
- 適格簡易請求書:小売業・飲食業・タクシー業など不特定多数を相手にする事業では、宛名を省略した適格簡易請求書が認められています。登録番号・取引年月日・内容・税率ごとの合計額・税率または消費税額の記載が必要です。
- クレジット決済は不課税:信用取引による支払いでは金銭の受領がないため、その領収書は課税文書になりません。ただし「クレジットカード利用」と明記しておく必要があります。
- 再発行はしない:二重計上や不正利用の温床になります。どうしても必要な場合は「再発行」と明記し、控えに記録を残します。
よくある質問
Q. 領収書の発行は義務ですか?
A. 民法486条により、支払った側から請求されれば交付義務があります。求められていなければ発行しなくても構いません。
Q. レシートは領収書の代わりになりますか?
A. なります。日付・金額・内容・発行者が記載されていれば、税務上はレシートで問題ありません。
Q. 印紙を貼り忘れたらどうなりますか?
A. 契約や領収の効力には影響しませんが、印紙税法違反として本来の税額の3倍の過怠税が課される可能性があります。自主的に申し出れば1.1倍に軽減されます。