発注書の書き方
発注書は、相手に仕事や物品を注文する意思を伝える書面です。法的には申込みにあたり、これだけでは契約は成立しません。相手が承諾(注文請書の返送など)して初めて成立します。下請法の対象取引では、発注書が3条書面としての役割を負い、記載事項が法律で決まっているため、様式を自由に決められません。
発注書の書き方 5ステップ
- 発注書番号と発注日を書く
- 発注先と自社の情報を書く
- 品名・数量・単価・金額を明細で書く
- 納期・納品場所・検査方法を書く
- 支払期日と支払方法を書いて送付する
記入項目の書き方
- 発注日:下請法の対象取引では、この日が「発注した日」となり支払期日の起算に関わります。
- 品名・仕様:「◯◯一式」を避け、仕様や規格まで書きます。曖昧だと検収でもめます。
- 数量・単価・金額:単価が未定の場合は「単価は別途協議」ではなく、算定方法を書きます。
- 納期:希望納期。相手が応じられない場合は請書の段階で調整されます。
- 検査方法・期間:受領後いつまでに検査するかを書きます。
- 支払期日:「毎月末締め翌月末払い」など。下請法対象なら受領日から60日以内である必要があります。
書き方の注意点
- 下請法の3条書面:親事業者は発注に際し、直ちに書面を交付する義務があります。記載事項は、親事業者と下請事業者の名称、発注日、給付の内容、納期、納入場所、検査完了期日、下請代金の額、支払期日、支払方法など12項目です。
- 支払期日は60日以内:下請法により、物品等を受領した日から60日以内のできる限り短い期間内に支払期日を定めなければなりません。検査に時間がかかることを理由に延ばすことはできません。
- 収入印紙は原則不要:発注書は申込みの意思表示にすぎず、単独では課税文書になりません。ただし基本契約に基づき発注書だけで契約が成立する取決めがある場合、請負なら第2号文書として課税されることがあります。
- 注文書との違い:実務上ほぼ同義です。「発注書」は発注側の立場を強調した呼び方で、法的な差はありません。
- 保存期間:下請法では、親事業者は取引の記録を作成し2年間保存する義務があります。税務上は帳簿書類として7年(個人は5〜7年)です。
よくある質問
Q. 発注書だけで契約は成立しますか?
A. しません。相手の承諾が必要です。ただし基本契約で「発注書の送付をもって契約成立」と定めていれば、その取決めが優先します。
Q. メールでの発注でも下請法の書面になりますか?
A. 下請事業者の承諾を得れば、電磁的方法による提供が認められています。承諾は書面等で得る必要があります。
Q. 発注後にキャンセルできますか?
A. 契約が成立していれば一方的な取消しはできません。下請法の対象取引では、下請事業者に責任がない受領拒否は禁止されています。