誓約書の書き方
誓約書は、一方の当事者が相手に対して「これを守ります」と約束する書面です。双方が義務を負う契約書と違い、誓約書は差し入れる側の一方的な意思表示。入社時の服務規律の遵守、退職時の秘密保持、事故の再発防止など、幅広く使われます。ただし署名すれば何でも有効になるわけではなく、内容が過度に不利益なものは無効とされることがあります。
誓約書の書き方 5ステップ
- 日付と、誓約書を差し入れる相手(宛先)を書く
- 誓約する事項を条項ごとに具体的に書く
- 違反した場合の扱いを書く(必要な場合)
- 誓約者の住所・氏名を書いて署名押印する
- 出力して相手に提出し、控えを保管する
記入項目の書き方
- 宛先:会社名と代表者名。誰に対する誓約かを明確にします。
- 誓約事項:「就業規則を遵守します」だけでなく、特に守ってほしい事項は個別に書きます。
- 秘密保持の範囲:何が秘密情報かを定義します。範囲が無限定だと実効性が下がります。
- 有効期間:退職後の秘密保持なら「退職後3年間」など。無期限は無効とされる可能性があります。
- 誓約者:住所・氏名。自署が原則です。
書き方の注意点
- 同意書・契約書との違い:誓約書=一方が守ると約束する/同意書=相手の行為を認める/契約書=双方が義務を負う。求められている書類がどれかを確認します。
- 競業避止義務には限界がある:退職後の競業を制限する条項は、①守るべき企業の利益 ②従業員の地位 ③地域的な限定 ④期間 ⑤禁止行為の範囲 ⑥代償措置 などを総合して判断され、制限が広すぎると公序良俗違反で無効とされます。
- 身元保証には期限がある:身元保証に関する法律により、期間の定めがない場合は3年、定める場合も最長5年です。また2020年の民法改正により、個人が保証する場合は極度額(上限額)の定めが必須です。
- 損害賠償の予定は禁止:労働基準法16条により、労働契約の不履行について違約金や損害賠償額をあらかじめ定めることは禁止されています。「退職したら◯万円支払う」という誓約は無効です。
- 署名を強制しない:内容を説明せずに署名させると、後から錯誤や強迫を主張される余地が生まれます。読む時間を与えます。
よくある質問
Q. 誓約書に署名したら必ず守らなければいけませんか?
A. 有効な範囲では拘束されます。ただし法令に反する内容や、著しく不合理な制限は無効です。
Q. 入社時に誓約書の提出を拒めますか?
A. 就業規則に定めがあれば求められますが、内容が違法・不当な場合は修正を求められます。
Q. 退職時の秘密保持誓約は有効ですか?
A. 秘密の範囲と期間が合理的であれば有効です。「業務上知り得た一切の情報を永久に」といった無限定なものは実効性が疑われます。