覚書の書き方
覚書は、当事者間の合意を簡潔に書き留めた書面です。よく「契約書より軽い」と思われていますが、法的効力に差はありません。表題が「覚書」でも、合意の内容が書かれ双方が署名していれば契約書と同じ拘束力を持ちます。実務では、既存契約の一部を変更する場合や、契約前に基本方針だけ確認する場合に使われます。
覚書の書き方 5ステップ
- 表題(覚書)と、当事者の氏名・住所を書く
- 原契約がある場合は、その契約を特定して引用する
- 合意した内容を条文形式で書く
- 効力の発生日と、原契約との関係(変更・補完)を明記する
- 原契約と同じ部数を作り、原契約の原本と綴じて一緒に保管する
記入項目の書き方
- 当事者:原契約と同じ表記(甲・乙)を使うと対応関係が明確になります。
- 原契約の特定:「令和◯年◯月◯日付◯◯契約書(以下「原契約」)」と定義してから使います。
- 合意内容:変更する条項を「原契約第◯条を次のとおり変更する」と特定します。
- 効力発生日:いつから適用されるか。遡って適用する場合はその旨を明記します。
- 原契約の存続:「本覚書に定めのない事項は原契約による」と入れておくと、他の条項が生きていることが明確になります。
書き方の注意点
- 契約書と効力は同じ:表題ではなく内容で判断されます。「覚書だから守らなくてよい」ということはありません。
- 収入印紙も内容で判断:覚書でも、内容が請負契約の変更や継続的取引の基本契約に当たれば課税文書になります。重要事項の変更(金額・期間・単価など)を定める覚書は、原契約と同じ号の課税文書として扱われます。
- 何を変更したか明確に:「一部変更する」だけでは何が変わったか分かりません。変更前と変更後を並べて書くのが確実です。
- 法的拘束力を持たせない場合:基本方針の確認にとどめたいなら、「本覚書は法的拘束力を有しない」と明記します。書かないと拘束力があると解釈されます。
- 原本の管理:原契約と覚書は必ずセットで保管します。覚書だけ残っていると、何を変更したのか分からなくなります。
よくある質問
Q. 覚書と契約書はどちらが強いですか?
A. 法的効力に優劣はありません。後から作成した覚書のほうが、その部分については新しい合意として優先されます。
Q. 覚書に収入印紙は必要ですか?
A. 内容次第です。金額や期間など重要事項を変更する覚書は課税文書となり、原契約と同じ区分で印紙が必要になります。
Q. 口頭の合意を後から覚書にできますか?
A. できます。むしろ口頭合意は証拠が残らないため、後からでも書面にしておくべきです。