賃貸借契約解約通知書の書き方
賃貸借契約解約通知書は、賃貸借契約を終わらせる意思を相手に伝える書面です。重要なのは借主から出す場合と貸主から出す場合で、必要な要件がまったく違うこと。借主は契約書に定めた予告期間を守れば解約できますが、貸主からの解約には借地借家法上の正当事由が必要で、通知しただけでは終了しません。
賃貸借契約解約通知書の書き方 5ステップ
- 通知日と、相手方(貸主または借主)を書く
- 対象の契約を特定する(契約日・物件・部屋番号)
- 解約する日(契約終了日)を明記する
- 貸主からの通知の場合は正当事由を記載する
- 記録の残る方法で送付し、到達日を確認する
記入項目の書き方
- 通知日:予告期間の起算点になります。発送日と揃えます。
- 契約の特定:契約日・物件所在・部屋番号。管理会社を通す場合は契約番号も。
- 解約日:「令和◯年◯月◯日をもって解約します」。予告期間を満たしているか逆算して確認します。
- 明渡し予定日:解約日と明渡し日が異なる場合は両方書きます。賃料の日割り計算に関わります。
- 返還先口座:借主からの通知なら、敷金の返還先を書いておくと精算が早まります。
- 正当事由:貸主からの通知の場合に必要。自己使用の必要性、建物の老朽化などを具体的に書きます。
書き方の注意点
- 借主からの解約:契約書の予告期間(1か月前が一般的)を守れば解約できます。期間の定めのない契約では、民法617条により建物は3か月前の申入れで終了しますが、借地借家法27条により借主からは1か月前でよいとされる契約が多くあります。
- 貸主からの解約は正当事由が必要:借地借家法28条により、貸主からの解約申入れには正当事由が必要です。さらに解約申入れから6か月を経過しなければ契約は終了しません。立退料の提供が正当事由を補完する要素として考慮されます。
- 到達日で判断される:意思表示は相手に到達した時に効力を生じます(民法97条)。予告期間は投函日ではなく到達日から数えます。配達証明を付けると確実です。
- 定期借家は通知が必要:期間1年以上の定期借家では、貸主は期間満了の1年前から6か月前までに終了の通知をしなければ、終了を借主に対抗できません(借地借家法38条)。
- 解約と更新拒絶は別:期間途中で終わらせるのが解約、期間満了時に更新しないのが更新拒絶です。要件と通知時期が異なります。
よくある質問
Q. 解約通知は口頭でも有効ですか?
A. 有効ですが、通知した事実と日付を証明できません。予告期間の起算に関わるため書面にしてください。
Q. 予告期間より短く解約したい場合はどうしますか?
A. 貸主の同意が得られれば可能です。同意が得られない場合、予告期間分の賃料を支払うことで対応するのが一般的です。
Q. 貸主から解約を通知されたら出て行かなければいけませんか?
A. 正当事由がなければ応じる必要はありません。納得できない場合は、まず理由の説明を求めてください。