検収書の書き方
検収書は、納品されたものが注文どおりであることを確認したと発注者が示す書類です。単に受け取ったことを示す受領書と違い、検収には内容を検査して合格と判断したという意味があります。多くの契約で検収の完了が支払いの起点になり、契約不適合責任を問える期間の起算点にもなるため、日付の意味が重い書類です。
検収書の書き方 5ステップ
- 検収日と検収書番号を書く
- 対象(発注番号・納品書番号・品名)を特定する
- 数量と、検査した項目・基準を書く
- 合格か不合格かを明示する(一部合格なら内訳を書く)
- 検収者が記名押印し、納入者へ交付する
記入項目の書き方
- 検収日:実際に検査を終えた日。支払期日の起算日になることが多く、納品日とは別に管理します。
- 対象の特定:発注番号・納品書番号を引用します。複数納品がある取引では必須です。
- 検査項目・基準:数量・外観・寸法・動作など、何をどう確認したかを書きます。
- 判定:「合格」「不合格」「一部合格」。不合格の場合は理由と、再納品の期限を書きます。
- 検収者:検査した本人の氏名。発注担当者と検査者を分けると精度が上がります。
書き方の注意点
- 受領書との違い:受領書=受け取った事実/検収書=検査して合格と認めた事実。検収書のほうが重い意味を持ちます。
- 契約不適合責任の起算:民法では、種類・品質に関する契約不適合を知った時から1年以内に通知する必要があります(商人間の売買では商法526条により、受領後遅滞なく検査し、直ちに通知する義務があります)。検収の記録がその起点の証拠になります。
- 下請法の検査期限:下請代金支払遅延等防止法の対象取引では、給付を受領した日から60日以内のできる限り短い期間内に支払期日を定める必要があります。検収に時間をかけて支払いを遅らせることは認められません。
- 検収の省略に注意:「◯日以内に異議がなければ検収完了とみなす」という条項(みなし検収)を契約に入れる場合、期間が短すぎると実質的に検査の機会がなくなります。
- 不合格時の記録:何がどう基準を満たさなかったかを具体的に書きます。写真を添えると再発防止に役立ちます。
よくある質問
Q. 検収書を出さないとどうなりますか?
A. 契約で検収を支払条件にしている場合、支払いが進みません。また後から不具合が見つかったとき、いつ検査したかを示せなくなります。
Q. 検収後に不具合が見つかったら請求できませんか?
A. できます。検収したことで契約不適合責任がすべて消えるわけではありません。ただし通知の期限があるため、発見したら速やかに通知してください。
Q. 検収書と受領書は兼ねられますか?
A. 「受領検収書」として1枚にする実務もあります。ただし受領日と検収日が異なる場合は分けたほうが管理しやすくなります。