見積書の書き方
見積書は、取引の前に「いくらで・何を・いつまでに提供するか」を示す書類です。法的には申込みの誘引にあたり、それだけでは契約は成立しません。だからこそ有効期限と前提条件を書いておくことが重要で、これを省くと「あの見積で受けてもらえるはずだ」と後から争いになります。
見積書の書き方 5ステップ
- 見積書番号と発行日を入れる(後で請求書と突き合わせるため)
- 宛先と自社情報を書く
- 品目・数量・単価・金額を明細で書く(「一式」を減らすほど信頼される)
- 小計・消費税・合計を出し、税率が混在するなら区分して表示する
- 有効期限・納期・支払条件・前提条件を明記して出力する
記入項目の書き方
- 見積書番号:自社の通し番号。再見積を出したら枝番(-2)を付けると版が追えます。
- 発行日:有効期限の起算日になります。
- 品目・数量・単価:「一式」だけの見積は比較されにくく、値引き交渉の的になります。分解できるものは分解します。
- 有効期限:「発行日より30日間」が一般的。材料費が変動する業種は短めにします。
- 納期:「ご発注後◯営業日」と条件付きで書くと、発注遅れによる遅延責任を回避できます。
- 前提条件・備考:見積に含まないもの(運搬費・廃棄費・現場立会など)をここに書いておくと追加請求の根拠になります。
書き方の注意点
- 収入印紙は不要:見積書は印紙税法上の課税文書ではないため、金額にかかわらず収入印紙は不要です(契約書として使う場合を除く)。
- インボイス制度との関係:見積書は適格請求書ではないため登録番号の記載義務はありません。ただし取引先が仕入税額控除の可否を早く知りたい場合、登録番号を書いておくと親切です。
- 消費税の端数処理:適格請求書では1つの請求書につき税率ごとに1回の端数処理と決まっています。見積段階から同じルールで計算しておくと、請求時に金額がずれません。
- 有効期限を過ぎたら:自動的に失効します。相手が期限後に発注してきた場合は、改めて見積を出し直すか、期限延長を明示的に伝えます。
よくある質問
Q. 見積書に押印は必要ですか?
A. 法的には不要です。社印や角印は商慣習によるもので、押していなくても見積の内容は変わりません。
Q. 見積書を出したら断れませんか?
A. 見積は申込みの誘引にすぎず、契約成立ではありません。ただし相手が発注してきた後に一方的に断ると、信義則上の責任を問われることがあります。
Q. 消費税は内税と外税どちらで書くべきですか?
A. 取引先の慣行に合わせるのが無難です。どちらでも、税抜金額・消費税額・税込金額の3つが読み取れる形にしておけば混乱しません。