エンディングノートの書き方
エンディングノートは、自分にもしものことがあったときに備えて、必要な情報や希望を書き残しておくノートです。遺言書と決定的に違うのは法的な効力がないこと。財産の分け方を書いても、そのとおりに相続されるとは限りません。その代わり形式が自由で、遺言書には書けない「気持ち」や「手続きに必要な情報」を残せるのが最大の価値です。
エンディングノートの書き方 5ステップ
- 自分の基本情報(本籍、マイナンバー、保険証番号など)を書く
- 資産の一覧を書く(金融機関、証券、保険、不動産、負債)
- 契約中のサービスと、解約に必要な情報を書く
- 医療・介護の希望と、緊急連絡先を書く
- 葬儀の希望と、伝えたいことを書いて、保管場所を家族に伝える
記入項目の書き方
- 資産の一覧:金融機関名・支店名・口座の種類。残高や暗証番号は書きません(紛失時のリスクが大きすぎます)。
- 保険:保険会社・証券番号・担当者。給付金の請求に必要です。
- 負債:住宅ローン、カードローン、保証債務。負債こそ伝える価値があります(相続放棄の判断に関わります)。
- 契約中のサービス:携帯、通信、サブスクリプション、公共料金。解約されないまま引き落とされ続けます。
- デジタル情報:利用しているサービスの一覧。パスワードは書かず、管理方法の在りかだけ伝えます。
- 医療・介護の希望:延命治療、告知、介護を受けたい場所。判断できなくなったときに家族が迷わずに済みます。
- 葬儀の希望:宗派、規模、連絡先(菩提寺、葬儀社)、遺影に使ってほしい写真。
書き方の注意点
- 法的効力はない:エンディングノートは遺言書ではありません。相続分の指定や遺贈をしたい場合は、別途、法的要件を満たした遺言書を作成する必要があります。
- 遺言書と役割を分ける:財産の分け方=遺言書/手続きに必要な情報と気持ち=エンディングノート。両方あると、家族は迷わず動けます。
- 暗証番号やパスワードは書かない:ノートが紛失・盗難に遭った場合の被害が大きくなります。口座の存在だけを伝え、認証情報は別の安全な方法で管理します。
- 保管場所を伝える:書いただけで場所を伝えていないと、見つけてもらえません。信頼できる家族に伝えるか、遺言書と同じ場所に保管します。
- 年1回は見直す:口座、契約、連絡先は変わります。誕生日など決まった時期に見直す習慣にすると腐りません。
- 負債と保証を必ず書く:相続放棄は相続の開始を知った時から3か月以内が原則です。負債の存在が分からないまま期限を過ぎると、家族が負債を背負うことになります。
よくある質問
Q. エンディングノートに書けば遺言になりますか?
A. なりません。自筆証書遺言の要件(全文・日付・氏名の自書と押印)を満たしていなければ、遺言としての効力はありません。
Q. 何歳から書くべきですか?
A. 年齢は関係ありません。入院や事故は誰にでも起こり得ます。書ける項目から埋めていけば十分です。
Q. 市販のノートと自作のどちらがよいですか?
A. 項目が用意されている市販品は書きやすく、自作は自由度が高くなります。書き続けられる形を選んでください。