損害賠償請求書の書き方
損害賠償請求書は、相手の契約違反や不法行為によって生じた損害の賠償を求める書類です。請求が通るかどうかは、①相手の行為 ②損害の発生 ③その間の因果関係 ④損害額の根拠をどれだけ具体的に示せるかで決まります。感情ではなく、金額を裏づける資料が主役になる書類です。
損害賠償請求書の書き方 5ステップ
- 相手方の住所・氏名と、作成日を書く
- いつ・どこで・相手が何をしたのかを、事実として時系列で書く
- それによって生じた損害を項目ごとに分けて金額を出す
- 支払期限と支払方法(振込先)を指定する
- 期限内に支払いがない場合の対応を書き、内容証明郵便で送る
記入項目の書き方
- 相手方:住所・氏名は登記簿や契約書どおりに正確に書きます。
- 事実経過:「令和◯年◯月◯日、貴社の◯◯により……」と、争いのない事実から積み上げます。
- 損害の内訳:修理費・代替品購入費・休業損害・治療費・慰謝料など、項目ごとに金額と根拠資料を対応させます。
- 請求額:内訳の合計。遅延損害金を請求するなら起算日と利率も書きます。
- 支払期限・振込先:「本書到達後14日以内」など具体的に。振込先を書いておくと相手がすぐ払えます。
書き方の注意点
- 消滅時効:債務不履行にもとづく請求は権利を行使できると知った時から5年、または権利を行使できる時から10年。不法行為にもとづく請求は損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、行為の時から20年です。期限が近い場合は急いでください。
- 催告による完成猶予:請求書を送ることで時効の完成が6か月猶予されます(民法150条)。ただし1回限りで、その間に訴訟等の手続を取る必要があります。
- 遅延損害金:法定利率は年3%(3年ごとに見直し)です。契約で利率を定めていればその利率によります。
- 証拠を先に固める:写真、修理見積、診断書、通院記録、やり取りのメールなど、金額を裏づける資料を先に集めます。請求書に「別紙のとおり」と添付すると説得力が変わります。
- 過失相殺:自分側にも落ち度がある場合、その割合分は減額されます。全額請求してよいですが、争いになれば調整されることを見込んでおきます。
よくある質問
Q. 慰謝料はいくら請求できますか?
A. 事案によります。交通事故は算定基準がありますが、それ以外は個別判断です。根拠なく高額を書くと交渉が長引くため、実損を中心に組み立てるのが現実的です。
Q. 内容証明で送る必要がありますか?
A. 法律上の義務はありませんが、時効が迫っている場合や訴訟を見据える場合は、送った事実と内容を証明できる内容証明郵便+配達証明が確実です。
Q. 相手が支払わない場合はどうなりますか?
A. 支払督促、少額訴訟、通常訴訟などの法的手続に進みます。60万円以下の金銭請求なら少額訴訟が使えます。