請負代金内訳書の書き方
請負代金内訳書は、工事の請負代金がどの費目にいくら配分されているかを示す書類です。建設業法20条は工事の種別ごとに材料費・労務費その他の経費の内訳を明らかにして見積りを行うことを求めており、内訳書はその具体的な形。総額だけの契約は、追加工事の線引きも、下請への適正な支払いの検証もできなくなります。
請負代金内訳書の書き方 5ステップ
- 工事名称・工期・請負代金総額を記入する
- 工種ごとに直接工事費を分解する(材料費・労務費・外注費)
- 共通仮設費を計上する
- 現場管理費と一般管理費を計上する
- 合計が請負代金と一致することを確認して提出する
記入項目の書き方
- 直接工事費:各工種の材料費・労務費・外注費。労務費を独立させることが近年強く求められています。
- 共通仮設費:仮囲い、仮設電気、安全設備など、特定の工種に属さない費用。
- 現場管理費:現場代理人の人件費、労働保険料、通信費など現場の運営費。
- 一般管理費:本社経費と利益。工事価格に対する率で計上するのが通例です。
- 数量・単位・単価:「一式」を減らし、数量根拠を示せる形にします。
- 消費税:税抜の工事価格と消費税額を分けて記載します。
書き方の注意点
- 労務費の明示:2024年の建設業法改正により、著しく低い労務費等による見積りや契約の禁止が定められました。労務費を内訳で明示することが、適正な取引の前提になります。
- 公共工事では提出が求められる:多くの公共工事では、契約時に工事費内訳書の提出が入札条件になっています。様式が指定されることが多いため事前に確認します。
- 見積書との違い:見積書は契約前に金額を示すもの、内訳書は契約金額の内訳を示すものです。内容は連動しますが、提出の場面が異なります。
- 「一式」を減らす:一式計上が多いと、追加変更工事の金額算定ができません。数量が拾えるものは拾います。
- 歩掛りの根拠を残す:単価の算定根拠(歩掛り、市況単価)を手元に残しておくと、価格変動時の変更協議で使えます。
よくある質問
Q. 内訳書の提出は義務ですか?
A. 民間工事では義務ではありませんが、建設業法は内訳を明らかにした見積りを求めています。公共工事では入札条件として提出が求められるのが通常です。
Q. 内訳書と見積書は同じ様式でよいですか?
A. 内容が同じであれば実務上兼ねられます。ただし発注者が様式を指定している場合はそれに従います。
Q. 契約後に内訳を変更できますか?
A. 総額を変えずに内訳だけ変えるのは、発注者との協議が必要です。追加変更工事が生じた場合は変更契約を締結します。