工程表の書き方
工程表は、工事の作業を時間軸に並べて全体の流れを示す表です。目的は日程の共有だけでなく、どの作業が遅れると全体が遅れるかを見えるようにすること。この「遅れが全体に直結する経路」をクリティカルパスと呼び、ここに人と管理を集中させるのが工程管理の要点です。
工程表の書き方 5ステップ
- 工事全体を作業(工種)に分解する
- 各作業の所要日数を見積もる
- 作業の順序関係(どれが終わらないと始まらないか)を整理する
- 着工日から並べて全体日数を算出する
- クリティカルパスを特定し、余裕日を配置して仕上げる
記入項目の書き方
- 工種:仮設・土工・基礎・躯体・仕上・設備・外構など。細かすぎると管理できません。
- 所要日数:実働日数で見積もり、天候不良の予備日を別に確保します。
- 前後関係:「基礎養生が終わるまで型枠は組めない」といった制約を明示します。
- 担当業者:工種ごとの施工業者。連絡先も入れておくと調整が速くなります。
- マイルストーン:中間検査、上棟、引渡しなど、動かせない日程。
- 進捗:実績を記入する欄。予定と実績を並べると遅れがすぐ分かります。
書き方の注意点
- バーチャートとネットワーク式:バーチャート(横棒工程表)は見やすく現場向き。ただし作業の依存関係が表現できません。ネットワーク式は依存関係とクリティカルパスが明確になりますが、作成に手間がかかります。小規模はバーチャート、複雑な工事はネットワーク式が向きます。
- クリティカルパスを把握する:余裕がゼロの作業の連なりがクリティカルパスです。ここが1日遅れると工期が1日延びます。ここ以外の作業は多少遅れても吸収できます。
- 天候予備日を必ず取る:屋外工事では雨天による中止が必ず発生します。月あたりの降雨日数を見込んで予備日を組み込みます。
- 工期変更は書面で:工期が変わる場合、建設業法19条2項により変更契約を書面で締結する必要があります。口頭のまま進めると精算で揉めます。
- 更新して掲示する:作って貼りっぱなしでは使われません。週1回は実績を反映し、遅れが出たら組み直します。
よくある質問
Q. 工程表は誰が作りますか?
A. 元請の現場代理人や工事担当者が作成し、各業者と調整して確定させるのが一般的です。
Q. 遅れが出たらどうしますか?
A. クリティカルパス上の作業なら、人員追加や並行施工で回復を図ります。それ以外なら余裕日で吸収できるか確認します。
Q. 工期に余裕をどのくらい見ますか?
A. 工事内容によりますが、屋外工事では天候予備日として月あたり数日を見込むのが実務的です。