工事見積依頼書の書き方
工事見積依頼書は、施工業者に見積りを依頼するための書面です。建設業法20条は注文者側に見積期間を置く義務を課しており、短い期間で見積りを迫ることは違反になります。また、業者が正確な見積りを出せるかは依頼側が条件を揃えて渡せているかで決まります。条件が曖昧なまま複数社に投げると、比較できない見積りが並びます。
工事見積依頼書の書き方 5ステップ
- 工事名称・場所・希望工期を記入する
- 工事の範囲と仕様を明示する(図面・仕様書を添付)
- 見積提出期限を、法定の見積期間を満たす形で設定する
- 提出してほしい内訳の粒度を指定する
- 現地確認の日程と、質問の窓口を書いて送付する
記入項目の書き方
- 工事範囲:含むもの・含まないものを明示します。ここが曖昧だと各社の前提がバラバラになり比較できません。
- 仕様・数量:図面、仕様書、数量書を添付します。指定材料があれば型番まで。
- 希望工期:着工可能日と完成希望日。動かせない期限があれば明記します。
- 見積提出期限:建設業法の見積期間を満たす日付にします。
- 内訳の粒度:「工種ごとに材料費・労務費を分けて」と指定すると、比較しやすくなります。
- 現地確認:日程と立会いの要否。現場を見ずに出した見積りは後で変わります。
書き方の注意点
- 依頼する側が守る期間:見積期間を置く義務を負うのは依頼する側です(建設業法20条4項)。予定価格に応じて500万円未満なら1日以上、500万円以上5,000万円未満なら10日以上、5,000万円以上なら15日以上を確保してから承諾に進みます。「明日までに出して」と迫るのは、依頼側の違反になります。
- 注文者が提示すべき事項:工事内容、工事着手・完成の時期、施工に必要な情報など、見積りに必要な事項をできる限り具体的に提示する必要があります(建設業法20条3項)。
- 条件を揃えて渡す:同じ図面・同じ範囲・同じ工期で依頼しないと、金額の比較が意味を持ちません。安く見えた見積りが「含んでいないだけ」ということが起こります。
- 質問窓口を一本化する:各社からの質問と回答は、全社に共有します。片方だけが知っている条件があると不公平な比較になります。
- 見積りは無料ではない:詳細な積算には相当な工数がかかります。依頼社数を絞り、決定後は速やかに結果を連絡するのが礼儀です。
よくある質問
Q. 何社に見積りを依頼するのが適当ですか?
A. 3社程度が一般的です。多すぎると各社の見積精度が下がり、比較の手間も増えます。
Q. 見積期間を短くしてもらえますか?
A. 建設業法の定めなので、注文者側から短縮を求めることはできません。急ぐ場合は依頼時期を前倒しします。
Q. 見積りが高い会社に理由を聞いてもよいですか?
A. 問題ありません。内訳を比べると、含んでいる範囲や仕様の違いが見つかることがよくあります。