個人事業の開業届出書の書き方
個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)は、個人で事業を始めたことを税務署に知らせる書類です。所得税法229条により、事業開始から1か月以内の提出が定められています。提出しなくても罰則はありませんが、青色申告や屋号名義の口座開設、補助金申請などで「開業の事実」を示す書類として求められる場面が多く、実務上は出しておくのが前提になります。
個人事業の開業届出書の書き方 5ステップ
- 納税地(自宅か事業所か)と、その住所・電話番号を書く
- 氏名・生年月日・個人番号(マイナンバー)を記入する
- 職業と屋号を書く(屋号は空欄でも可)
- 「開業」に丸を付け、開業日を書く
- 事業の概要と、給与を支払う場合はその人数を書いて所轄税務署へ提出する
記入項目の書き方
- 納税地:原則は住所地。自宅と別に事務所がある場合、事業所を納税地にすることもできます。
- 開業日:実際に事業を始めた日。ここから1か月が提出期限です。多少過ぎても受け付けてもらえます。
- 職業:「ライター」「飲食業」など。この記載で個人事業税の税率区分(3〜5%)が変わることがあります。
- 屋号:店名や事業名。屋号付き銀行口座を作るなら書いておきます。後から変更もできます。
- 給与等の支払の状況:従業員や専従者に給与を払うなら記入します。あわせて「給与支払事務所等の開設届出書」も必要です。
書き方の注意点
- 提出期限:事業開始から1か月以内(所得税法229条)。期限を過ぎても罰則はなく受理されますが、青色申告の期限とは連動しないので注意します。
- 青色申告は別の書類:開業届を出しただけでは青色申告になりません。所得税の青色申告承認申請書を別に提出する必要があります。同時提出が確実です。
- 控えを必ずもらう:屋号口座の開設や融資審査で「収受印のある控え」を求められます。持参なら2部、郵送なら返信用封筒を同封して控えを受け取ります。
- 失業給付との関係:開業届を出すと雇用保険の基本手当(失業給付)は原則受給できなくなります。受給中の方は順序を確認してください。
- 都道府県にも届出:税務署とは別に、都道府県税事務所へ「事業開始等申告書」の提出が必要です(名称・期限は自治体により異なります)。
よくある質問
Q. 開業届を出さないとどうなりますか?
A. 罰則はありません。ただし青色申告の65万円控除が使えず、屋号口座や補助金申請で不利になることがあります。
Q. 会社員の副業でも開業届は必要ですか?
A. 事業所得として申告するなら必要です。規模が小さく雑所得として申告するなら不要ですが、青色申告は使えません。
Q. 開業日はいつにすればよいですか?
A. 実態に合わせます。厳密な定義はないため、最初の売上日や、事業用の設備を整えた日を開業日とするのが一般的です。