前回の振り返り

【第2回】ではNode.jsとnpmを紹介した。今回は「コードの保険」であるGitの話。

Gitとは ― 超ざっくり説明

Git = ファイルの変更履歴を記録するツール。

ゲームで言うセーブポイント。Word で言う「元に戻す(Ctrl+Z)」の超強化版。ファイルを変更するたびに「この時点の状態」を保存しておけるので、いつでも好きな時点に巻き戻せる。

👨
さっきまで動いてたのに、いじったら動かなくなった…もう終わりだ…
🟠
大丈夫。git logで履歴を見て、動いてた時点に戻せばOKです。

なぜ必要か ― 「元に戻す」は命綱

未経験者がコードを書く(正確にはAIに書いてもらう)と、こういう事故が起きる。

Gitがあれば、どんなに壊しても「あの時点」に一瞬で戻れる。

これは精神的にもめちゃくちゃ大きい。「壊しても戻せる」と思えると、怖がらずにいろんなことを試せるようになる。

Before

コードを触るのが怖い。壊したら終わりだと思ってる。AIへの指示も慎重になりすぎて進まない。

After

壊しても戻せる安心感。「とりあえず試す→ダメなら戻す」が当たり前になった。

インストール方法

Windowsの場合、Git for Windowsの公式サイトからダウンロードしてインストールするだけ。

https://git-scm.com/

インストーラーの設定は基本デフォルトでOK。完了後、ターミナルで確認:

git --version
# git version 2.47.1.windows.2  ← こんな感じで出ればOK

覚えるコマンドは4つだけ

Gitには大量のコマンドがあるが、未経験者が知っておくべきは4つだけ。

# 1. プロジェクトでGitを使い始める(最初に1回だけ)
git init

# 2. 変更したファイルを「次のセーブに含める」
git add ファイル名

# 3. セーブする(コミット)
git commit -m "何を変更したかのメモ"

# 4. セーブ履歴を見る
git log --oneline
実際の流れ
git init → ファイルを編集 → git add .git commit -m "メッセージ"
この繰り返し。たったこれだけで「いつでも戻れる保険」がかかる。

自分の使い方 ― Claude Codeが全部やってくれる

ここまで書いておいてアレだが、自分はGitのコマンドをほぼ手で打たない。

Claude Codeが勝手にやってくれるからだ。

Claude Codeは作業の区切りごとに自動でコミットしてくれる。コミットメッセージも英語で適切に書いてくれる。自分がやることは:

  1. Claude Codeに作業を指示する
  2. Claude Codeが作業中に自動でgit add & commitする
  3. 何か問題が起きたら「さっきの変更を戻して」と言う
  4. Claude Codeがgit revertしてくれる
0回
自分でgitコマンドを打つ頻度(月間)
50+
Claude Codeが自動で作るコミット数(月間)
3回
「戻して」で救われた回数

つまり未経験者にとってのGitは、「自分で使いこなす」ものではなく、「Claude Codeが使ってくれるから入れておく」もの。でも仕組みを理解しておくと、「戻して」の一言が自信を持って言えるようになる。

実例 ― Gitに救われた話

clasp pushで全部吹き飛ばした事件

影武者システムのGASコードをいじっていた時のこと。Claude Codeに「この関数を修正して」と指示して、clasp push でGASに反映した。

動かない。

しかもエラーの出方がおかしい。修正したはずの関数だけでなく、関係ないファイルまで壊れている。

原因は、clasp pushがPC上のコードでGAS側を丸ごと上書きする仕組みだったこと。PC側に古いファイルが残っていて、GAS側でだけ修正していた別の変更が全部消えた。

焦った。しかもGAS側のスクリプトエディタには「元に戻す」機能がほぼない。

でも、Gitがあった。

git log --oneline
# abc1234 fix: 〇〇の修正
# def5678 feat: △△の追加  ← ここに戻したい
git checkout def5678 -- .
clasp push

30秒で復旧。 Gitがなかったら、壊れたコードを目視で一つずつ直すか、最悪ゼロからやり直すところだった。

「試しにやってみて→やっぱなし」が気軽にできる

Gitの本当のありがたさは、実験が怖くなくなること。

影武者システムの請求書PDFを「GASで生成」から「Cloudflare Workersで生成」に移行しようとした時。大規模な変更で、うまくいくか確信がなかった。

Gitがあるから「とりあえず全力で移行してみる→ダメだったら丸ごと戻す」ができた。結果、Workers版は3倍速くなり、移行は成功した。でももし失敗していても、git checkout 一発で元の安定版に戻れた。

この安心感は、未経験者にとって想像以上に大きい。

次回予告

次回はいよいよ、影武者システムの原点であるGoogle Apps Script(GAS)と、それをPCから管理するclaspを紹介する。このツールがなければ影武者システムは生まれなかった。

連載「コーディング未経験者の開発環境」
第1回:Claude Code
第2回:Node.js & npm
第3回:Git
第4回:Google Apps Script & clasp
第5回:Cloudflare Workers & wrangler
第6回:Stripe CLI
第7回:Python & 便利ライブラリ
第8回:まとめ ― 全体像と選び方

家庭教師の勤怠管理、まだ手作業でやってませんか?

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