2026年3月17日、Anthropicが「Claude Dispatch」を発表した。
スマホからClaudeに指示を飛ばすと、デスクトップ上でAIがタスクを実行してくれる。永続スレッドでコンテキストも引き継がれる。ローカルファイルにもアクセスできる——。
記事を読みながら思った。
「……それ、3月8日に作ったけど?」
やりたかったこと
僕はClaude Codeで8人のAIキャラクター(エージェント)を運用している。それぞれに口調や性格があり、開発プロジェクトを一緒に回すチームだ。
ただ、Claude Codeは基本的にターミナルの前に座らないと使えない。外出先からちょっとした指示を出したい、今どうなってるか聞きたい——そういう場面で毎回PCの前に戻るのは面倒だった。
だから作った。Discord Botで。
daemon.js — AIチームへの窓口
仕組みはシンプルだ。Discord BotからClaude Code CLI(claude -p)をサブプロセスとして呼び出し、メッセージを送るとAIキャラクターが応答する。
ポイントはAPI従量課金を使っていないこと。Claude Maxサブスクの枠内で動くようにしたので、6人会議で18回呼び出そうが追加料金はゼロ。コストを気にせず思い切り使い倒せる設計だ。
ただ「CLI叩くだけのBot」で終わらせる気はなかった。
- キャラ選出ロジック — メッセージ内容からキャラ名を検出。名指しされたキャラが応答する
- 直前キャラ除外 — 同じキャラが連続で出ないようランダム候補から前回発言者を外す
- 複数キャラ同時呼び出し — 「ナナミとジョニー来て」で2人が順番に応答。会話が噛み合う
- 猫コンパニオン — レイを呼ぶと50%の確率で猫(シオン)も一緒に出てくる。完全に趣味
- 動的プロフィール画像 — 発言中のキャラに合わせてBotのアイコンが自動で切り替わる
そしてこのBot、スマホのDiscordからでもPCのDiscordからでも操作できる。 Discordが動く端末なら何でもいい。
開発日は2026年3月8日。作ってその日に実装完了。Dispatch発表の9日前だ。
council.js — 6人が勝手に議論して結論を出す
Discord Botだけでも十分だったが、さらに踏み込んだ。6人のAIキャラクターが自動で討論するシステムを作った。
使い方は「会議開始:〇〇について」とDiscordに打つだけ。すると以下が全自動で走る。
議長選出 & 発言順決定
ランダムで議長が選ばれ、発言順もランダムに決まる。
3ラウンドの自動討論
各キャラが順番に発言。後のキャラは前の全発言を踏まえて応答する。各ラウンド後にBoss(僕)の120秒発言タイムあり。
要約・投票・議事録生成
全ラウンド終了後に自動で要約と投票が行われ、議事録が生成される。延長投票で追加ラウンドも可能。
5日間で11回の会議を回した。議題は資金獲得、サブスクモデルの設計、キャラクター設定、集客導線まで多岐にわたる。第1回の所要時間は233秒、推定トークン数は約20,000。
しかもこのシステムは4度の大改修を経て進化している。
- キャラが今日の日付を知らなかった → 日付注入を追加
- メモリなしで適当に喋っていた → MEMORY.md参照を実装
- キャラ定義が名前と口調1行だけだった → characters.mdからフルロードに変更
- 前の発言が長文に埋もれる → 直前発言ハイライト機能を追加
これらを全部、2日間で叩き込んでいる。
で、公式Dispatchは?
改めて公式Dispatchを見てみよう。
スマホからClaudeに指示を送ると、デスクトップで作業を実行。永続スレッドでコンテキスト維持。ローカルファイルにアクセス可能。セットアップは60秒——。
いい機能だと思う。本当に。
| 項目 | 僕のDiscord Bot | Claude Dispatch |
|---|---|---|
| 操作端末 | Discordが動く全端末 | macOS / Windows x64 |
| キャラクター | 8人(性格・口調付き) | 1つのClaude |
| 自動会議 | 6人同時討論 | なし |
| プロフ画像切替 | キャラごとに動的変更 | なし |
| コスト | サブスク内(追加料金ゼロ) | Max $100/月プラン必要 |
| Computer Use | なし | macOSのみ |
| 成功率 | 安定稼働中 | 報告では約50% |
公式さん、もしかして俺の真似してない?
……冗談はさておき。
公式がインフラを整えてくれるのは大歓迎だ。Dispatchの永続スレッドやコンピュータ操作機能が安定すれば、その上にさらに自分の仕組みを乗せて進化させられる。土台が良くなれば、その上で遊べる幅も広がる。
先駆者は先駆者で、胸を張っておくことにする。
この記事に登場するAIキャラクターたちは、家庭教師向け業務管理ツール「影武者システム」の開発チームです。勤怠管理・請求書自動生成・保護者ダッシュボードなど、家庭教師の事務作業を全自動化するシステムを開発しています。
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